2016年3月25日

働き方改革は進むか 女性の活躍推進に厳しい現実の壁

4月から女性活躍推進法が施行される。女性の就業を継続し、いかに活躍する仕組みを作っていくか。働き方改革はどこまで進むだろうか。

 (1009)

 4月の施行に備え、東京都内でも厚生労働省の担当官を招いた「女性活躍推進法セミナー」が相次いで開催され、各社の人事担当者が多く参加していた。
 筆者が覗いた会場はほぼ満席状態。参加者のうち半分近くを女性の担当者が占め、法令の説明や女性活躍に取り組む企業の話に熱心に聞き入っていた。
 参加した人事担当者からも「情報公表は学生や求職者へも訴求できるという視点は新しい発見になった。まずは課題を把握し、人材獲得も含めて戦略的として取り組みたい」という感想があった。
 一方「(女性活躍推進)制度はその会社によって有効なものは違うので、まず大事なのは『風土』であると改めて強く意識した」という風土改革の必要性を感じる声なども聞かれた。
 参加した40代の男性人事担当者はこの法律自体に手厳しい意見を吐いた。
 「セミナーにあれだけ多くの企業が参加していたことに驚いた。法律自体は政府目標を企業に転嫁し、それができない企業を公開処刑するという悪法だと思っている」
 「一体この人たちのうちどのぐらいの人が本気で取り組もうと思っているのかわからないが、女性を登用する実際の現場の担当者が動かなければうまくいかないだろう。うまくいかなければ最後は『お前が悪い』ということになりかねず可哀想な気もした」
 法律そのものに懐疑的なのは彼だけではない。
 大手通信業のダイバーシティ推進担当者は「政府の最終目的は要するに女性をちゃんとした労働力にしようというもの。そうであれば先に企業の数値目標ありきというのは疑問。すでに大企業は私たちを含めてすでに自主的にやっている」
 「そこを突っつくよりも、今働いておらず、働きたくても働けない専業主婦の人たちがたくさんいるし、そういう人たちの受け皿を作ったほうが目標により早く達するのではないか」と語る。
 重い責任を押しつけられて迷惑している様子もうかがえる。しかし、いくら人事部が一生懸命に動いても現場のマネジメントが動かなければ女性の活躍は進まない。現場の責任者はどうしているのか取材してみた。 
 大手人材サービス会社の営業職の管理職はこう語る。
 「昨年から今年にかけて経営トップから女性を引き上げろという明確な指示が現場にも伝わってきている。でも管理職をやりたいという女性はまだまだ少ない。課長の下の係長クラスのグループリーダーが10人いるが、女性は2人しかいない」
 「引き上げていきたい気持ちはあるが、8人の男性と競争させて彼女だけ引き上げるのは正直言って相当厳しい。まだ育っていない中で課長として仕事を回していけるかとなると、今のスキルでは苦労することが目に見えている」
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