2016年10月27日

長時間労働をプラス評価する企業が2割超

 正社員の長時間労働を「プラスに評価する傾向にある」と回答した企業の割合が2割を超えたことが、日本生産性本部の「日本的雇用・人事の変容に関する調査」で分かった。

 (10529)

 正社員(特にホワイトカラー層)の長時間労働に対する企業側の評価は「労働時間の長短と評価は関係ない」が44.4%と最も回答率が高くなっているものの、次に回答が多いのは「プラスに評価する傾向がある」24.8%となっている。

 「マイナスに評価する傾向がある」は13.5%で、マイナスに評価するよりはプラスに評価するという企業の割合が10 ポイント以上高くなっている。

 正社員の生産性が「高い」、「どちらかというと高い」と回答した企業では、長時間労働に対して「労働時間の長短と評価は関係ない」が43.8%と最も高くなっている。

 一方、生産性が「低い」、「どちらかというと低い」と回答した企業では「プラスに評価する傾向がある」が43.3%と最も高く、「労働時間の長短と評価は関係ない」は26.7%となっている。

 正社員の働き方の多様化・柔軟化(時間や場所等)につながる制度の導入率を見ると、「フレックスタイム制度」の導入率が49.6%と最も高かった。

 その他の施策は、「在宅勤務制度」(18.8%)、「専門業務型裁量労働制」(17.3%)、「短時間正社員制度」(16.5%)、「企画業務型裁量労働制」(10.5%)、「朝型勤務(始業時間繰り上げ)」(9.8%)など、いずれも2割を超えていない。

 「今後導入する予定」の施策は「在宅勤務制度」が11.3%と最も高く、「導入に向けて検討の余地有り」も24.8%となっている。

 勤務地限定制度を「すでに導入している」企業は30.1%で、産業別にみると第3次産業での導入率が 42.9%と高くなっている。

 勤務地限定制度を導入している企業では、制度導入のメリットとして「社員の長期的な定着」(73.3%)や「優秀な女性社員の退職抑制」 (55.6%)、「雇用の維持」(44.4%)といった労働力確保に効果があると回答している。

 課題としては「勤務地を選択する社員が多数いると、柔軟な人事異動ができにくくなる」(80.0%)等が挙げられている。

 賃金制度(体系)導入状況では、管理職層では「役割・職務給」の導入率が最も高く74.4%で、2007年調査以降、7割以上で推移している。 「職能給」は66.9%、「年齢・勤続給」は24.8%で、いずれも年々低下している。

 非管理職層では「職能給」の導入率が最も高く82.7%で、2007年調査以降、8割以上で推移している。「役割・職務給」は56.4%で、2007年調査以降、5割以上で推移している。「年齢・勤続給」は49.6%で、初めて5割を下回った。

 年齢・勤続給については、管理職層、非管理職層いずれも、「導入していたが、廃止した」という企業が
2割以上(管理職層=27.8%、非管理職層=23.3%)を占めている。

 調査は、2016年7月下旬~8月下旬、上場企業の人事労務担当者を対象にアンケートを郵送する方式で実施し、133社から回答を得た。

無期転換に伴う制度設計と就業規則見直しの留意点

無期転換に伴う制度設計と就業規則見直しの留意点
いわゆる有期契約労働者の無期転換申込権については、平成25年4月1日施行の労働契約法改正により、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し労働者の雇用の安定を図ることを目的として、労働契約法第18条において定められました。無期転換に伴う制度設計と就業規則見直しの留意点を解説します。
4 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

関連する記事

残業抑制策としてインターバル規制が法制化へ

残業抑制策としてインターバル規制が法制化へ

 政府の働き方改革実行計画に残業抑制策として、勤務間インターバル規制が努力義務ながらも盛り込まれた。インターバル規制の法制化は長時間労働の是正策になりえるか。(文・溝上憲文編集委員)
“働き方改革”の取り組みを通じて企業の魅力を高める サトーホールディングス 江上 茂樹 執行役員 最高人財責任者

“働き方改革”の取り組みを通じて企業の魅力を高める サトーホールディングス 江上 茂樹 執行役員 最高人財責任者

ハードウェア製品の開発、製造、販売を行うサトーホールディングスは、“健康経営”や“働き方改革”への取り組みを通じて働きやすい会社づくりだけでなく、生産性向上を目指している。人事部門を統括する江上茂樹氏に、人事施策の取り組み状況などを聞いた。
「残業を命じられたことがある」は6割強、20代、30代男性は8割前後 連合調べ

「残業を命じられたことがある」は6割強、20代、30代男性は8割前後 連合調べ

 残業を命じられたことがある人は6割を超えており、特に20代、30代の男性は8割前後となっていることが日本労働組合総連合会(連合)の調査で分かった。
勤務先にテレワーク制度がある割合は1割程度

勤務先にテレワーク制度がある割合は1割程度

 勤務先にテレワーク制度等があると回答した割合は雇用者全体のうち1割程度で、このうち半数はテレワーク制度を利用しており、そのうち7割がプラス効果を実感しているという実態が、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」でわかった。
テレワークは理想的な制度か?在宅勤務のメリットとデメリット

テレワークは理想的な制度か?在宅勤務のメリットとデメリット

近年、在宅勤務などテレワークを導入する企業が増えている。政府の「働き方改革実行計画」でも柔軟な働き方としてテレワークの普及を加速させていくことを掲げている。(文・溝上憲文編集委員)

この記事のキーワード

この記事のライター

編集部 編集部

サイト会員限定記事

セミナー・イベント

プレスリリース