2017年2月24日

【雇用形態】正社員と非正社員、メリット・デメリット

近年、さまざまな業種で非正規社員の割合が増えてきました。なかには正規社員と非正規社員の区別が曖昧な企業もあり、正規社員として雇用されたつもりが、じつは非正規だったといったことも起こっているようです。では、正規社員と非正規社員には、どんな違いがあるのでしょうか。

法律では明確に規定されていない

 (19490)

実は法律上では「正規社員とはこういうものです」と定められているわけではありません。

一般的には、期間を定めずに雇用されている、いわゆる終身雇用の社員が正規社員とされています。

対する非正規社員は、期間を定めた雇用契約が結ばれている従業員を指します。契約社員、パートタイム、アルバイト、派遣社員などが、これにあたります。

一番の違いは安定性

正規社員の場合は、ほとんどの場合が定年まで同じ企業に勤めることとなります。毎月安定した収入が見込めるため、将来設計も立てやすく、安定した生活が送れます。

非正規社員も企業の業績が順調なうちはいいのですが、業績が悪化したり問題が起こったりすると、雇用契約が更新されなくなります。つまり、簡単にクビになってしまうのです。そのため、将来設計が立てづらく、生活の不安がつねにつきまとうことになります。

正規社員と非正規社員の一番の違いは、この生活基盤となる収入が安定しているかどうかです。

福利厚生面での格差はない

仕事中にケガなどをした場合、労災保険が適用されます。これは正規社員・非正規社員に関係なく、すべての従業員が加入しなければいけないと、法律で定められています。保険料は会社の全額負担で、従業員側が負担することはありません。

非正規社員であっても、就業時間など一定の要件を満たしていれば、健康保険や厚生年金保険、失業給付がもらえる雇用保険に加入しなければなりません。これは、加入するかどうか企業や従業員が任意で決められるものではありません。要件を満たした従業員は、強制的に加入となります。保険料は半額を従業員、半額を企業側が負担します。

「同一労働同一賃金」の原則によって、同じ業務を行っている場合は、正規・非正規にかかわらず同じ給与を支払わなければいけないという裁判所の判決が出ました。有給休暇についても、正規・非正規にかかわらず、就業年数によって最低何日といった形で、法律で決められています。

少なくとも法律上では、正規社員と非正規社員の格差はなくなっていると言っていいでしょう。

正規社員のメリット

正規社員の一番の特徴は、終身雇用で安定して働けることです。

企業側としても、正規社員には将来的にリーダーとなることを期待しています。そのため、業務上の資格取得にかかる費用の補助といった、サポートを行っている企業もあります。

昇進や退職金の支払いを、正規社員にしか認めていない企業も、まだ数多く存在します。

また、雇用が保障された正規社員であることは、社会的な信用にもつながります。具体的には、クレジットカードやローンの審査が通りやすいといったメリットがあります。

ただし正規社員はほとんどの場合、雇用契約のときに職務内容を規定していません。そのため、苦手分野であっても、しなければならなくなることもあります。転勤など生活が一変してしまうような職務命令にも、従わなければなりません。

非正規社員のメリット

雇用が安定していない非正規社員ですが、裏返せば自由度が高いということ。

勉強やかなえたい夢のために時間を使いたい、持病がありフルタイムで働くことが難しいといった人にとっては、短時間勤務ができる非正規社員は魅力的なシステムでしょう。

非正規社員は、雇用契約の時点で職務の内容が決められていることがほとんどです。そのため、業務内容が契約と違っていれば拒否できます。自分に合った職務内容を選びやすいというのも、非正規社員のメリットでしょう。

ただし、昇進が認められていなかったり、賞与や退職金の支払いがなかったりといったデメリットも数多くあります。育児・介護休暇といった長期休暇を取る場合には、契約の更新が打ち切られてしまうことも。

また、将来にわたる保証がないために、社会的な信用を得にくいといったデメリットがあります。
~ ここまで、正規社員、非正規社員で働くことについて、働く側からのメリット・デメリットを考えてきましたが、人を雇入れる側にとっては、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか ~

正規社員雇用は先行投資

企業にとって正規社員雇用のメリットは、会社の存続と発展に他なりません。

つまり、現状の会社の業務や方針を次世代に継承し、同時に新しい技術を育てて企業の恒久的発展を図るということです。

だからこそ、社員教育や資格取得など、将来への先行投資として人材育成にお金をかけるわけです。
一方、正規社員で雇用するデメリットですが、日本の企業風土には「社員は家族」的な一面があって、その先には終身雇用というプレッシャーが横たわっています。

会社が継続し発展することは、労使共に喜ばしいことですが、一方で安定雇用などの社会的責任も大きいということです。

非正規社員雇用のメリット•デメリット

非正規社員で雇うメリットは 一つに、社会保険や雇用保険などの保険料負担を軽減できる点ですが、最近は非正規社員の社会保険への加入要件が緩和される傾向にあり、人件費を抑制できるメリットは薄くなっています。

それよりはむしろ、忙しい時期や時間に合わせて増員できるメリットの方が大きく、その点は一つの職場にとらわれずに働きたいという最近の働き方の傾向にも合致しています。

一方のデメリットは、正規社員と非正規社員のモチベーションの違いです。

同一労働、同一賃金が推進される中で、正規社員と非正規社員の仕事に対するモチベーションの違いは否めず、「アルバイトが残した仕事を押し付けられてかえって残業が多くなった」など、結果的に正規社員の間に不公平感が広がってしまうケースもあります。

雇用形態の変化

景気の動向によって、業務に必要とされる従業員数は当然変わってきます。

過去の終身雇用システムでは、手が足りなくなった分を正規社員の残業で吸収してきました。現在はその人員調整を、非正規社員の雇用で行うようになってきています。

ただ日本はまだ、新卒就職というルートから外れた人を受け入れにくい社会になっています。
社会全体の意識が変わらないと、ライフスタイルにあわせた働き方の多様化は、まだ厳しいと言えるのではないでしょうか。
19 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

この記事のライター

編集部 編集部

サイト会員限定記事

セミナー・イベント

プレスリリース