2014年5月31日

関西企業の人材採用最新事情 事業構造改革で専門職種の採用活発化

関西企業で事業成長を目指すための専門職種の人材採用が活発になっている。特に人材不足が顕著になっているのがエネルギー・自動車関連分野のエンジニアや事業担当者、そしてグローバル人材だ。

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業績急回復で関西企業の採用意欲が一段と高まる

 昨年から関西企業の採用意欲が一段と高まり、今年に入っても求人倍率は高止まりしている状態だ。人材紹介大手のインテリジェンスによれば、関西の今年3月の転職求人倍率は全体で1.27倍となり、企業の採用活動は厳しさを増している。
 職種別では、技術系(建築/土木)3.76倍、技術系(メディカル)3.20倍、技術系(電気/電子/機械)2.00倍、営業系1.43倍、技術系(IT/通信)1.43倍、専門職系(コンサルタント/金融/不動産)1.37倍が全体平均を上回り、人材採用が難しくなっている。
 ここ数年は電機業界を中心にリストラが相次いでいたが、取り組んできた事業構造改革の効果が現れてきたことで業績が急速に回復。
 主要企業の2014年3月期決算の営業利益は対前年度比で神戸製鋼所919.6%増、村田製作所114.7%増、武田薬品工業114.3%増、パナソニック89.6%増、ダイキン工業75.0%増、川崎重工業72.0%、クボタ66.8%増など大幅な増益となった。
 こうした業績回復が追い風となり各社とも人材採用に積極的に動き始めた。関西の景況感と人材需要についてインテリジェンスの森宏記ゼネラルマネジャーは次のように解説する。
 「大手メーカーの業績回復が本格化したことで、昨年3月頃から採用意欲が高まり始めています。新しい技術分野への進出や積極的なシステム投資を背景とした求人が増加しているほか、外食・流通関連でも消費税増の影響が想定内に収まる見込みとなったことで、しっかりしています。首都圏や中部圏にやや遅れをとっていた関西の求人も、ここにきてようやく追いついてきました」
関西主要企業の業績(2014年3月期連結決算)

関西主要企業の業績(2014年3月期連結決算)

事業構造改革とグローバル展開に伴う求人が急増

 関西企業の積極的な採用を支えているのが、事業構造改革に伴う新規事業分野への集中的な投資だ。
 例えば、関西企業で売上高(連結)7兆7365億円という圧倒的な規模を誇るパナソニックは、2013年から抜本的な事業構造改革に着手している。
 13年3月に発表した中期経営計画(13~15年)では赤字からの脱却を掲げ、創業以来の事業の柱であったBtoCの家電事業を再編・撤退して車載事業、住宅事業、デバイス事業への転換を図るとし、自動車と住宅・エネルギー分野に注力することを明確にした。
 2018年に目指す売上構成も家電が1.8兆円から2.0兆円、デバイスが1.4兆円から1.5兆円と微増なのに対し、車載は1.1兆円から2.0兆円、BtoBソリューションが1.8兆円から2.5兆円と新たな成長領域としている。
 このような事業構造改革の過程で出てきた課題がグローバル展開だ。欧米とアジア・中国・中近東などの海外戦略地域を有望市場と見て戦略地域事業推進本部を設置し、代表取締役副社長をインド・デリーに常駐させるなど、「経営リソースを大胆にシフトする」と津賀一宏社長は宣言した。
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