2016年12月21日

景気の懸念材料は「米国経済」、「人手不足」も深刻に

 2017年の景気の懸念材料として、約4割の企業が「米国経済」を挙げていることが、帝国データバンクの「2017年の景気見通しに対する企業の意識調査」で明らかとなった。

 (10993)

 2017年の景気について「回復」を見込む企業は11.0%で、2016年見通し(2015年11月調査)とほぼ同水準だった。

 「悪化」(20.0%)や「踊り場」(37.9%)局面を見込む企業が減少した一方、「分からない」が調査開始以降で初めてと3割を超え(31.1%)、先行き見通しに対する不透明感が高まっている。

 規模別でみると、「悪化」と見通す企業の割合は「小規模企業」が「大企業」より5.5ポイント高く、規模の小さい企業ほど厳しい見通しを示していた。

 業界別では、「小売」の「回復」と見通す企業の割合が4.7%と最も低く、「農・林・水産」も7.1%と1割未満にとどまった。

 両業界とも「回復」が「悪化」より20ポイント以上低くなっており、個人消費や農林水産関連で特に厳しく見込んでいる。

 2017年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料は「米国経済」が41.8%で前年から30.1ポイントの大幅な増加となり最も高かった。2位は「原油・素材価格(上昇)」(28.5%)、3位は「人手不足」(28.4%)だった。

 「人手不足」は前年から2.8ポイント増。建設業(46.6%)、運輸・倉庫業(43.4%)では4割を超えておろ、深刻になっている。

 前回トップだった「中国経済」は前年比25.4ポイント減の21.0%、前回まで2年連続で2位だった「消費税制」は同25.1ポイント減の12.6%で、景気の懸念材料はこの1年で大きく様変わりした。
【2017年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料 トップ5】
1位 米国経済 41.8%
2位 原油・素材価格(上昇) 28.5%
3位 人手不足 28.4%
4位 為替(円高) 26.5%
5位 中国経済 21.0%

 今後、景気回復のために必要な政策は「個人消費拡大策」が42.9%と5年連続のトップとなった。

 次いで「所得の増加」(38.5%)、「年金 問題の解決(将来不安の解消)」(32.7%)、「個人向け減税」(32.6%)、「公共事業費の増額」(31.9%)、「法人向け減税」(30.6%)、が3割を上回った。

 政府の成長戦略の柱となる女性活躍に関しては、「出産・子育て支援」(20.5%)や「介護問題の解決(老人福祉、介護離職など)」(18.3%)が2割前後となった。

 2016年の景気は「回復」局面だったと判断する企業は5.7%となり、前回調査(2015年11月)から1.8ポイント減少した。

 「踊り場」局面とした企業は53.9%と2年連続で5割超、「悪化」局面は19.3%と前回とほぼ同水準、「分からない」は21.0%と調査開始以降で最も高かった。

 調査は、2016年11月16日~30日、全国2万3850社を対象に実施し、1万110社の有効回答を得た。(回答率42.4%)

ストレスチェック制度化で求められる安全配慮義務

ストレスチェック制度化で求められる安全配慮義務
平成26年6月25日に「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が交付され、新たにストレスチェック制度が創設されました。同制度の施行 期日は、平成27年12月1日とされています。そこで、今回はストレスチェック制度の概要、使用者の安全配慮義務との関係で留意すべき点について説明します。
5 件

関連する記事

上場企業のうち女性役員ゼロは6割超、女性役員比率は4.2%と1割以下

上場企業のうち女性役員ゼロは6割超、女性役員比率は4.2%と1割以下

 上場企業3490社のうち女性役員が一人もいない企業は2223社で、全体の63.6%を占めることが東京商工リサーチの「女性役員比率」調査で明らかとなった。女性役員比率の最高は、小売業の6.2%。
2019年の業績見通しは「増収増益」が4.5ポイント減、「減収減益」が5.1ポイント増

2019年の業績見通しは「増収増益」が4.5ポイント減、「減収減益」が5.1ポイント増

 帝国データバンクの「2019年度の業績見通しに関する企業の意識調査」によると、2019年度の業績見通しは、「増収増益」と回答した企業が24.8%となり、前回調査の2018年度見通しから4.5ポイント減少したことが明らかとなった。「減収減益」は5.1ポイント増加した。
2018年度の人手不足関連倒産は過去最多の400件、後継者難が6割超

2018年度の人手不足関連倒産は過去最多の400件、後継者難が6割超

 2018年度の「人手不足」関連倒産は前年度比28.6%増となる400件となったことが東京商工リサーチの調査で分かった。年度ベースでは、2013年度に調査を開始以来の最多件数となっている。
2019年重要テーマ 分野別サービス紹介

2019年重要テーマ 分野別サービス紹介

2019年は働き方改革の本格的始動をはじめ、企業のグローバル化や売り手市場における採用活動、さらには社員へのメンタルケアや研修・評価管理の充実など、人事担当者が取り組むべき課題は山積みだ。これらの課題解決を支援する、今後さらに注目されるサービスを提供している企業に対し、取材を行った。
2018年は「踊り場」局面だったとする企業が2年ぶりに半数超、「悪化」判断も増加

2018年は「踊り場」局面だったとする企業が2年ぶりに半数超、「悪化」判断も増加

 2018年の景気動向について、「踊り場」局面とした企業は54.7%と2年ぶりに半数を超え、「悪化」局面は17.2%と2年ぶりに2ケタ台へと増加したことが、帝国データバンクの「2019年の景気見通しに対する企業の意識調査」で明らかとなった。
女性社長数は8年で2倍増、女性社長比率は13.0%

女性社長数は8年で2倍増、女性社長比率は13.0%

 全国の女性社長は41万1969人で、調査を開始した2010年の21万人からは2倍増になっていることが東京商工リサーチの調査で明らかとなった。女性社長率は13.0%で、前年比0.5ポイント増だった。
正社員が不足している企業が5割超、非正社員は3割超で不足

正社員が不足している企業が5割超、非正社員は3割超で不足

 2018年7月現在、正社員が不足している企業は50.9%に上っていることが、帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」で明らかとなった。前年同月比5.5ポイント増となっており、7月としては初めて半数を超えて、過去最高を更新した。
女性従業員割合は2割超、女性管理職割合は1割以下となるも過去最高

女性従業員割合は2割超、女性管理職割合は1割以下となるも過去最高

 従業員に占める女性の割合は平均24.9%、管理職に占める女性の割合は7.2%となったことが帝国データバンクの「女性登用に関する企業の意識調査」で明らかとなった。
上場企業のうち女性役員ゼロが6割超、建設業では8割に迫る

上場企業のうち女性役員ゼロが6割超、建設業では8割に迫る

 上場企業2375社のうち女性役員が一人もいない企業は1563社で、全体の65.8%を占めることが東京商工リサーチの「女性役員比率」調査で明らかとなった。前年の1646社(69.3%)から社数は83社減少し、女性の役員登用に向けた動きは緩やかだが進んでいる。
女性の活躍を推進している中小企業は7割超も、課題が多く残るのが現状

女性の活躍を推進している中小企業は7割超も、課題が多く残るのが現状

 全国の中小企業のうち女性の活躍を推進している企業は76.2%と7割を超えることが日本商工会議所の「働き方改革関連施策に関する調査」で分かった。

この記事のキーワード

セミナー・イベント一覧

◆次世代事業経営ゼミナール(第5期)~ものづくり企業の国内外事業運営の基幹要員の育成【8月開講】