2016年1月10日

売り手市場化で採用手法の見直し必至~本誌アンケート調査 企業の人材需要と採用の課題(2)中途採用編

再び採用スケジュールが変わる新卒採用、人材不足が慢性化している中途採用、多様な労働力の活用などの課題に対して、従来型の採用手法では人材確保が難しくなっている。2016年の日本の雇用情勢と企業の人材採用数の予測を、企業の人材採用を支援する主要人材コンサルティング会社100社を対象にアンケート調査で聞いた。(中途採用編)

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中途採用はグローバル人材の奪い合いが活発化

中途採用でも売り手市場化が一層進むことになりそうだ。
 ホワイトカラーの人材紹介で上場するジェイ エイ シー リクルートメントの松園健社長は「TPPやAEC(ASEAN経済共同体)など国際関連情勢の影響が急速でないにしろ緩やかに進み、引き続き海外に進出する日系企業はアジアに限らず増加傾向を示すと考えられる」
 「特にグローバル事業を進める幹部人材の需要が増加することが見込まれ、全般的に国内を含めたグローバル人材の奪い合いが活発化すると予想する。内需も外国人の観光需要や消費需要に伴って、サービス業を中心に語学系人材のニーズは高まっていく」と展望する。

幹部人材やグローバル化に対応できるバックオフィス人材の採用

 リクルートで転職情報サービスを提供する佐藤学リクルートキャリア執行役員中途事業本部本部長も「中国経済の動向によってグローバル経済に影響が出てくることが予想されるものの、既存事業の拡大、新規事業の開発を急ぐ企業の人材不足感は強く、採用意欲は2015年同様に高止まりが続くと予想する」
 「また、転職市場の活況を受けて個人側の転職意欲も高くなっているが、企業の求人ニーズはそれを上回り、引き続き転職者有利の状況が続くとみている」と売り手市場化を予測する。
 昨年との違いでいうと2015年は若手人材の採用が活発だったが、2016年は若手人材をマネジメントする幹部人材やグローバル化に対応できるバックオフィス人材の採用が活発になるという声が上がる。

企業競争力を高めるためには人材の強化が急務

現在の企業競争力と今後強化すべきもの

現在の企業競争力と今後強化すべきもの

(出所)労働政策研究・研修機構「構造変化の中での企業経営と人材のあり方に関する調査」

従来の採用手法では人材を確保できない企業が続出

 売り手市場化でどの企業も求めるようなスキルや経験を持った人材に複数のオファーが集中する。そのため従来の採用手法では人材を確保できない企業が続出するだろう。
 このような競争から抜け出すためには、まずは経営理念や価値観を整理して社内で共有し、自社の魅力や自社で働くメリットをより積極的にアピールしていく必要がある。
 採用方法の見直しのための条件としてインテリジェンスの峯尾太郎取締役兼常務執行役員は、「採用要件の見直し」「採用ルートの多重化」「候補者に対する目利き力」「面接官の口説き力(面接力)」の4点を挙げる。
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