2018年11月27日

最新のテレワーク事情

11月は政府と産業界が後押しする「テレワーク月間」であったが、知らない人も多いのではないか。そもそもテレワーク自体を知らない人も少なくない。今回はテレワークの最新事情を解説する。(文・溝上憲文編集委員)

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働き方改革の一環として推奨

 テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことだが、働く場所による区分で①在宅勤務、②移動中などのモバイルワーク、③サテライトオフィス勤務――の3つを指す。

 政府は働き方改革の一環として時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、子育て、介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力開発発揮が可能になると言って推奨している。

テレワーク制度の知名度は低く、導入にも消極的

 2020年にテレワーク制度導入企業34.5%、雇用型テレワーカー15.4%の達成を政府は目指しているが、政府のかけ声とは反対に導入企業や利用者は少ない。

 エン・ジャパンの「テレワーク実態調査」(2018年6月18日、8341人)によると、「テレワークという働き方を知っている人」は40%と半分もいない。20代は31%にすぎない。また、勤務先にテレワーク制度があると答えた人は17%、テレワーク制度を使って働いたことがある人は4%にすぎない。

 なぜ会社はテレワークの導入に消極的なのか。大手医療機器メーカーの人事担当役員は時期尚早だと語る。

 「テレワークの目的は生産性の向上にあります。だが多くは育児中の社員のためのベネフィットになりがち。そうなると生産性は置いていかれる。もう1つはテレワークする社員の成果をちゃんと評価してあげることが肝になります。成果を出すにあたって部署のメンバーとの協働しているプロセスも含めて評価してあげることが需要ですが、目の前にいる部下の成果をちゃんと評価できないような上司も多く、目の前にいない人の評価をちゃんとできるとは思えません。もちろんいろんなツールを使ってテレワークでマネジメントをやれないことはないと思いますが、現状では評価がまともにできない上司がいる限り、導入は時期尚早と考えています」

 テレワークの目的が両立支援か生産性の向上かによって達成すべきアウトプットも違う。両立支援が目的であれば個々の社員の生産性向上につながることはないかもしれない。

利用者が少ないのは上司が原因

 制度を導入しても利用者が少ないのはなぜか。在宅勤務制度を導入しているIT企業では実際に利用が進んでいない。同社の人事課長はその理由についてこう語る。

「利用が進まないのは本人より上司が積極的に認めようとしないからです。上司にとっては部下が見えないところで仕事をしているのが不安なのです。つまりフェイスツーフェイスのコミュニケーションがなくなることが不安でしょうがない。在宅で仕事ができるのはわかっていても自分の視野から消えるのが怖いと感じている上司が多いのが実態です」

 多くの職場では常に部下の仕事ぶりを観察し、何かあれば報・連・相を通じてコミュニケーションをとることになっている。テレワークを機能させるには上司のマネジメントスタイルの変革が問われる。
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