2016年12月7日

人事専門家に聞いた 2017年 人事の最重要テーマは次世代リーダーの育成

ビジネスのグローバル化や少子高齢化による労働力人口の減少など、経営環境の変化に対して従来型の人事では対応が難しくなっている。「2017年の人事の重要テーマ」を、企業の採用、育成・研修、組織力強化などを支援する専門家50人に対してアンケート調査で聞いた。

 現在でもエンジニアなどはすでに奪い合いの状況で、今後あらゆる業界・業種、職種において人材不足が深刻となってくるだろう。

 厳しい採用環境で人材獲得競争を勝ち抜くためには採用力の向上が多くの企業で急務となっている。

 同時に、人材不足の対応策としてダイバーシティ、柔軟な働き方の推進、女性管理職の登用・育成などは人事が取り組むべき喫緊の課題だ。
 労働力人口が減少していくことを考えると、これまで以上に多様な人材、時間の制約がある人たちにも企業で能力を発揮してもらわなくてはならず、あわせて正社員の働き方自体も見直して人材の確保と長期的な生産性の向上につながる制度の構築が不可欠だ。

 政府も「働き方改革」を成長戦略に掲げて「同一労働同一賃金」の実現などに動き始めているが、人事にとって重要なのは「働き方改革」を“イノベーションを生み出す人と組織づくり”につなげていくことだろう。
 企業の女性活躍推進を支援するwiwiw山極清子社長は、「日本的雇用慣行など半世紀前の男性中心の就労モデルがいまもなお堅持され、女性人材が活かされていない。このままでは人材の多様性に欠け、イノベーションの推進力が抑制されてしまう。女性活躍の成果を出すには、ジェンダー・ダイバーシティと働き方改革等のワーク・ライフ・バランスを同時に進めることが必要」と、人材の多様性がイノベーションの推進力につながっていくと訴える。

 ビジネスの変革にスピードが求められる時代になり、特に最近はこれまでのビジネスモデルにデジタル技術が結合して新しいビジネスモデルが次々と生み出されるようになっている。

 新しいビジネスモデルによる競争は、これまでの競合とは違う分野からの参入で業界そのものが消滅してしまう可能性もはらむ。これまでの長時間労働や人事・評価制度を前提とした人と組織の関係を見直す必要が生じている。

専門家に聞く「2017年 人事の重要テーマ」

(1)人事が取り組むべき重要テーマとして選択した理由
(2)採用、育成・研修、組織力強化等で、積極的な投資が見込まれる内容・分野
(3)2017年の自社の事業・サービス展開
 (10541)

ジェイ エイ シー リクルートメント 松園健 代表取締役社長

(1)グローバル化とIoT、AI(人工知能)、ロボットなど新たなテクノロジーによるイノベーションの二つが企業の成長戦略の大きなテーマとなっている。グローバル化については、リーマンショック後の国内需要の減少を要因とする海外進出、事業の拡大というフェーズから、グローバルビジネスの体制を強化、あるいは立て直しという次のフェーズに入ってきている。

(2)グローバル化とイノベーションにかかわる人材が不足していることから、この二つの人材の採用と育成が重要になっている。様々な企業でITが成長のカギとなっていることからSEの採用を強化しており、先進企業ではIT戦略のトップとなるCIOを採用し配置するようになっている。メーカーではIoT関連の人材採用が活発だ。また、グローバル人材の採用は引き続きニーズが高い。

(3)多くの企業ではグローバルビジネスの体制強化や立て直しで、事業を統括するマネジメント層を強化する必要が出てきている。そのため、事業戦略に最適な優秀な人材の採用をさらに強化していくことが見込まれる。当社ではコンサルタント教育に注力しており、コンサルタントの能力を高めることで質の高い人材紹介を実践していく。

ジェイ エイ シー リクルートメント 「事業を成長に導くグローバル人材、専門性の高い人材、経営幹部の紹介に豊富な実績があります」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

ジェイ エイ シー リクルートメント 「事業を成長に導くグローバル人材、専門性の高い人材、経営幹部の紹介に豊富な実績があります」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選
松園 健 代表取締役社長
 (10545)

HRDグループ 韮原光雄 代表取締役

(1)優秀な人材の確保がより困難な情勢で、自社内外の人材リソースを客観的に見直し、現在の組織内に眠った宝、つまり社員ひとりひとりの力を発掘して最大限に発揮させることが重要。そのために、効率的・合理的な採用から人材育成、適材配置による職務マッチングのプロセスをどう構築するかが重要課題となっている。
(2)世の中の変化を先取りし、組織の未来を創り出せる次世代リーダーの選抜と育成に対するニーズが高い一方で、経営職だけでなく、各分野における専門性の高い人材の評価とリテンションへの対策も同時に必要とされ強化されている。また、個人の力を高めるだけでなく、組織の力を取り戻すチーム開発へのアプローチが注目されそうだ。
(3)グローバルスタンダードの「人材測定アセスメント」をリソースとして、人事コンサルタントや人材育成機関と幅広くパートナーシップを組み、企業が抱える人の問題を根本的に解決するためのアプローチを取り続けていきたい。2017年は、「ワークプレイス」=職場のコミュニケーションの活性化に対する具体的なラーニングソリューションを提供していく。

HRDグループ 「企業の人に関する課題を総合的に解決する、人材情報とサービスを提供します」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

HRDグループ 「企業の人に関する課題を総合的に解決する、人材情報とサービスを提供します」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選
韮原 光雄 グループ代表
135 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

関連する記事

働き方改革が本格始動 2016年に顕在化した人事・労務の6テーマ

働き方改革が本格始動 2016年に顕在化した人事・労務の6テーマ

2016年の人事・労務の特徴を一言でいえば、人材不足の顕在化に対応した採用力強化や定着を促す官民を挙げた「働き方改革」が本格的に始動した年だった。
大手・中堅企業 事業拡大や新規事業進出で中途採用

大手・中堅企業 事業拡大や新規事業進出で中途採用

 大手・中堅企業が事業拡大や新規事業進出を理由に中途採用を行っていることが、厚生労働省の転職者実態調査で分かった。
イノベーションを生み出す人材と組織の条件とは

イノベーションを生み出す人材と組織の条件とは

IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)などによって、これまでのビジネスモデルが大きく変わろうとしている。経営戦略の実現のために新たなビジネスモデルをつくりだすイノベーション人材の獲得や組織づくりは、経営トップや人材マネジメントにとって喫緊の課題となっている。イノベーションを生み出す人材と組織づくりの現状を取材した。
働き方改革は進むか 女性の活躍推進に厳しい現実の壁

働き方改革は進むか 女性の活躍推進に厳しい現実の壁

4月から女性活躍推進法が施行される。女性の就業を継続し、いかに活躍する仕組みを作っていくか。働き方改革はどこまで進むだろうか。

この記事のキーワード

この記事のライター

編集部 編集部

セミナー・イベント

プレスリリース