2016年11月8日

最低賃金改定で3社に1社が給与体系見直し、採用時最低時給の平均は958円

 10月の最低賃金の改定を受けて、3社に1社が給与体系を見直していることが、帝国データバンクの調査で分かった。小売業界では給与体系を見直す企業が5割近くとなっている。

 (10624)

 最低賃金の改定を受けて給与体系を「見直した(検討している)」企業は35.0%、「見直していない(検討していない)」企業は49.1%となった。

 業界別に見ると、非正規社員を多く抱える「小売」(48.9%)や「運輸・倉庫」(43.4%)、「製造」(41.0%)で4割を超えた。

【業界別 給与体系を“見直した”企業の割合】
小売    48.9%
運輸・倉庫 43.4%
製造    41.0%
農・林・水産 37.3%
サービス  31.7%
卸売    31.0%
建設    30.9%
不動産   23.0%
金融    18.1%

 地域別では、「見直した(検討している)」企業は「北海道」(43.4%)が最も高く、「九州」(40.7%)、「中国」(40.2%)で4割を上回った。

【地域別 給与体系を“見直した”企業の割合】
北海道 43.4%
九州  40.7%
中国  40.2%
近畿  36.1%
東海  35.4%
四国  34.0%
東北  34.6%
北陸  34.2%
北関東 33.3%
南関東 31.3%

 従業員を実際に採用するときの最も低い時給は全体平均で約958円となり、最低賃金の全体平均823円を135円上回っている。

 特に、「東京都」では最低賃金と採用時最低時給の差額が最も大きく165円。

 次いで、「島根県」(162円)や「沖縄県」(161円)、「鹿児島県」(159円)、「福岡県」(156円)が続き、西日本を中心に差額が大きくなっている。

 今回の引き上げ額について「妥当」と考える企業は40.5%で、「高い」(11.6%)、「低い」(18.1%)を大きく上回った。

 自社の業績に対して「影響はない」が57.9%。「プラスの影響がある」は1.7%で、「マイナスの影響がある」が21.7%と2割を超えた。

 また、今回の最低賃金の引き上げによって今後の消費回復に効果が「ある」と考える企業は10.2%にとどまる一方、効果が「ない」は53.7%と半数を超えている。

 調査期間は9月15日~9月30日、調査対象は全国2万3710社で、有効回答企業数は1万292社(回答率43.4%)

同一労働同一賃金で注目される長澤運輸事件・東京地裁判決

同一労働同一賃金で注目される長澤運輸事件・東京地裁判決
一億総活躍国民会議(2月23日)における安倍総理大臣の指示に基づき、3月23日以降、厚生労働省職業安定局が実施する検討会(同一労働同一賃金の実現に向けた検討会)において「同一労働同一賃金」の実現に向けた具体的方策について検討が進められています。そのような中、5月13日に言い渡された長澤運輸事件の東京地裁判決(労判1135号11頁)が注目を集めています。皆さんの中には実際に判決文をお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。
4 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

関連する記事

同一労働同一賃金で見直し必至の日本的賃金・処遇制度

同一労働同一賃金で見直し必至の日本的賃金・処遇制度

政府による「同一労働同一賃金」の実現に向けた動きが本格化している。法改正が行われると現在の賃金・処遇制度を見直さざるを得ない企業も多いだろう。法律やガイドラインの内容に注目が集まっている。(文・溝上憲文編集委員)
今春闘で始まった「同一労働同一賃金」交渉 非正規は処遇改善、正社員はベアゼロが示す人件費原資の壁

今春闘で始まった「同一労働同一賃金」交渉 非正規は処遇改善、正社員はベアゼロが示す人件費原資の壁

2017春闘は大手企業の賃上げが伸び悩む一方、中小企業の賃上げや非正規社員の処遇改善が見られた。今年の春闘の大きな特徴は働き方改革に軸足を置く労使が目立っている点だ。そして、「同一労働同一賃金」制度の導入に向けた動きも出てきている。(文・溝上憲文編集委員)
2月の現金給与総額0.4%増、実質賃金は横ばい

2月の現金給与総額0.4%増、実質賃金は横ばい

 2月の現金給与総額が前年同月比0.4%増となったことが、厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査(速報、事業所規模5人以上)で分かった。実質賃金は前年同月と同水準だった。
2月の完全失業率2.8%に改善、正規雇用51万人増

2月の完全失業率2.8%に改善、正規雇用51万人増

 総務省が発表した労働力調査(速報)によると、2月の完全失業率(季節調整値)は前月から0.2ポイント低下して2.8%だった。
アルバイト・パート平均時給が再び1000円超、首都圏は1041円 リクルート調べ

アルバイト・パート平均時給が再び1000円超、首都圏は1041円 リクルート調べ

 リクルートジョブズ(東京・中央、柳川昌紀社長)の調査によると、2月度のアルバイト・パートの募集時平均時給が再び1000円を超えたことが分かった。

この記事のキーワード

この記事のライター

編集部 編集部

セミナー・イベント

プレスリリース