2010年9月6日

【メンタルヘルス特集(4)】中堅・中小企業を支援する「こころの健康診断」 高いセキュリティで従業員情報を守る

メンタルヘルス対策が進む大手企業に比べ、中堅・中小企業は対応が遅れぎみだ。厚生労働省の調査によると、従業員1000人以上の企業では9割以上が心の健康対策に取り組んでいるが、従業員1000人未満の企業では6割に低下する。メンタルヘルス対策の重要性が高まる中、中堅・中小企業の課題と人事担当者が求めている支援サービスの最新事情を取材した。

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メンタルヘルス対策が進む大手企業 中堅・中小企業も予防施策の強化に動き出す

 財団法人日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所が、8月に発表した上場企業を対象にしたアンケート調査結果によると、約半数の企業が自社のメンタルヘルス施策に「効果が出ている」と回答した。また、2002年の調査開始以降初めて、従業員の「心の病」の増加傾向に歯止めが掛かり、大手企業のメンタルヘルス対策が一定の成果を上げていることがうかがえる。
 一方、中堅・中小企業の取り組み状況はどうだろうか。企業向けメンタルヘルス支援アプリケーション「こころの健康診断」を提供するパイプドビッツ(東京都港区、佐谷宣昭代表取締役社長CEO)の廣澤孝之人事ソリューションユニットマネージャーは次のように話す。
 「メンタルヘルスの予防施策に着手しているような中堅・中小企業はまだわずかですが、『まず何から始めれば良いのか』という質問が多くなっています」
 また、人事担当者へのヒアリングで、メンタルヘルス支援策の導入では、コストやセキュリティといった面で中堅・中小企業には課題があることも分かった。
 同社がメンタルヘルス担当者を対象に実施したアンケート調査では、「ストレスチェック」「従業員への教育・研修」といった事前予防に力を入れたいという回答が多くなっており、中堅・中小企業においてもメンタルヘルスの予防施策への意識が高まりつつある。
 中堅・中小企業の人事担当者からは「直接的には利益を生まないメンタルヘルス対策にコストを掛けることに社内の理解が得にくい」という声も聞かれる。しかし、従業員のメンタルヘルス不調が原因となる休職者や退職者の増加は、新たな労務コストを生み出している。
 中堅・中小企業の経営に大きなダメージを与えかねず、労働安全衛生法の改正も検討される中、企業の対策強化は待ったなしの状況となっている。

中堅・中小企業の負担軽減を図る メンタルヘルス対策用アプリケーション「こころの健康診断」

 こうした調査結果を受けて、パイプドビッツは、今年4月に、中堅・中小企業が利用しやすい価格の新アプリケーションとして、企業のメンタルヘルス対策用のセルフチェックツール「こころの健康診断」を投入した。
 EAPサービス大手のピースマインドがコンテンツを提供しており、診断結果に対する信頼性を高めている。
 「こころの健康診断」は、従業員が手元のパソコンで質問に答えることよって、自身のストレス状況をチェックすると同時に、人事担当は診断結果を集約して、スピーディーに会社全体の状況を把握することが可能になっている。
 「メンタルヘルス対策を検討する上では、まず従業員全員の状況を把握することが大切です。質問の回答時間は10分程度ですので従業員に受診の負担感はありません。変化をタイムリーに把握するために、利用企業の多くでは従業員が毎月受診しています」(廣澤氏)
 「こころの健康診断」を利用する場合、ASP・SaaS(クラウド)「スパイラル® 」を導入することで自社にサーバーを設置する必要がなく、アカウント発行費用10万円と月額費用2万5000円(データ利用5000件まで)の定額料金で利用できる。利用者1人当たりで費用が発生する「完全従量制」を採用している同様のサービスと比較すると、中堅・中小企業には利用しやすい価格だ。
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