2010年5月31日

質の高いコンサルティングを支える経営で顧客の信頼を獲得 シグニアム インターナショナル 福居徹社長

これまで経験したことがない経営危機に見舞われている人材紹介業界。本紙調査でも、各社それぞれの事情があるものの、人材紹介会社の売上は2008年度と2009年度の比較で40~60%の大幅ダウンとなっている。こうした状況の中でも、人員削減などのリストラを行わずに売上の減少幅を10%程度に抑えた会社がある。それが、エグゼクティブ・サーチのシグニアム インターナショナルだ。注目すべき特徴は、米国のサーチ・ビジネスで培われてきた質の高いコンサルティングと経営の実践にある。その秘訣をシグニアム インターナショナルの福居徹社長に聞いた。

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福居徹 代表取締役社長

【プロフィル】
学習院大学法学部卒業。米国ウッドベリー大学留学。日本初のエグゼクティブサーチ会社を設立。人材事業30年以上の実績をもつ。1997年にシグニアムインターナショナルを創立。

経済活動は停滞し、企業の採用も世界規模で止まったわけですが、グローバル・サーチ事業を展開している貴社の立場から、世界の人材紹介事業の現状を教えてください。

 シグニアム インターナショナル( 以下、シグニアム)の前身は1950年代に設立されたワード ハウウェル インターナショナル(以下、ワード ハウエル)というエグゼクティブ・サーチの会社です。
 米国には、50年前に設立されたエグゼクティブ・サーチ協会(Association of Executive Search Consultant:AESC)という歴史のある組織がありますが、協会の設立メンバーとしてワード ハウウェルは参加しており、シグニアムになった後も継続して活動しています。
 米国では、「エグゼクティブ・サーチ」は「コンサルティング」というビジネス分類に入っています。エグゼクティブ・サーチは、一般の人材紹介とは違いコンサルティングの手法によって企業を支援するビジネスとして行われているものであり、その報酬体系もコンサルティングとなるリテイン型(retain)を基本としています。
 リテイン型の報酬体系は、このコンサルティングの進行の度合いに応じて費用がかかりますが、確実に採用を実現するものです。
 AESCはこうしたリテイン型のエグゼクティブ・サーチの会社が集まったアソシエーションで、活動の決まりとして倫理規定(Code of ethics)があります。
 その中には「競合会社のサーチをやってはいけない」「リテイン型サーチをやらなければいけない」「クライアント会社から引き抜きをしてはいけない」など、基本となる9項目の倫理規定があり、その規定を守る中でエグゼクティブ・サーチ会社がそれぞれ切磋琢磨することになっています。
 現在、AESCのメンバーは約500社で、米国が約300社、ヨーロッパ約150社、アジア・パシフィック約50社が加盟しています。日本では、当社のほかコーン・フェリー・インターナショナル、ラッセル・レイノルズ、スペンサー・スチュアート、島本パートナーズなど、外資系・国内系のエグゼクティブ・サーチ会社が活動しています。
 このAESCの調査によると、2008年の全世界の加盟会社の売上は1兆1000億円で、2009年は7400億円でしたので、約32%ダウンしています。2004年から2008年までの5年間はエグゼクティブ・サーチが大きく花開いた時期となりました。
 特に2008年は最高の年になりましたが、リーマンショック以後の2009年の売上実績は、急激な落ち込みとなりました。

今回の世界同時不況では、日本のエグゼクティブ・サーチ会社も大きなダメージを受けました。こうした中、貴社は比較的ダメージを受けなかったと聞いています。

 当社の売上実績は、2008年と2009年を比較すると10%のダウンとなりました。周りの実情をみると、まあまあの実績といえます。
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