2018年1月11日

2018年の人材需要と採用の課題 残業上限規制とAI・ロボ導入で変わる「働き方」

少子高齢化による労働力人口の減少で人材不足が慢性化する中で、企業は働き方改革による生産性向上を迫られている。2018年の日本の雇用情勢と企業の人材採用数の予測を、企業の人材採用を支援する主要人材コンサルティング会社50 社を対象にアンケート調査で聞いた。

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 本誌が実施した企業の採用を支援する人材コンサルティング会社への調査では、2018年の日本の雇用情勢は良くなるという回答が70%、横ばいが27%、悪くなるが3%となった。企業の採用数の予測も増加するとの回答が過半数を占め、若年労働人口の減少も重なり、今年も企業の人材採用はさらに困難を極めることになりそうだ。
 このような人材需要について、リスの木村亮郎社長は「急速な少子高齢化による人口減少と年齢別人口のアンバランスさが東京五輪やリニア新幹線のインフラ整備などの関連需要を背景に、地方の中小・零細企業や知名度が低いBtoBの中小・零細企業を中心に正社員はもちろん、全ての雇用形態において、さらに人材不足は深刻になってくるものと思われる」と分析する。
 少子高齢化による労働力人口の減少ですでに人材不足は慢性化している。また、働き方改革では残業時間の上限規制などの法改正が進んでいくため、労働生産性の向上は企業にとって早急に取り組むべき課題だ。
 すでに生産性向上への取り組みは始まっている。昨年、メガバンク3行は大規模なリストラ策を打ち出したが、業務のスリム化を可能にするのは、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の導入による事務作業の大幅な効率化を見込んでいる。AI(人工知能)やロボットなどのテクノロジーを活用することによって、これまで人が時間と手間を掛けて行ってきた仕事をどれだけ減らせるかを本格的に検討しなければならないだろう。
 こうしたテクノロジーの導入が人材採用に与える影響について、ジェイ エイ シー リクルートメントの松園健社長は次のように指摘する。「各業界では業務改革を進めるためAIを導入する企業が増加しているが、この動きは加速することが見込まれる。今後、業務や事業モデルの構築をAIなどの先端技術と人の特性を生かした棲み分けが重要になってくる。その上で明確な事業化や生産性向上のための人材採用の計画が必要となるだろう」
 様々な場面でテクノロジーの導入が本格化し、仕事の見直しや働き方改革が進む中で、同時に自社の事業運営に本当に必要となる人材の採用や育成を考える年になりそうだ。
2018年 日本の雇用情勢・人材採用の増減(回答集計)

2018年 日本の雇用情勢・人材採用の増減(回答集計)

新卒採用

 リクルートワークス研究所の19年大卒採用見通し調査によると、採用数が前年より「増える」と答えた企業は15.8%で、比較可能な11年卒以降で最高となった。本誌の調査でも19年卒の採用活動は18年卒以上の求人増が見込まれており、売り手市場の状況が続く。
 19年卒の採用活動は、3月広報開始、6月選考開始、10月正式内定というスケジュールが継続されるが、インターンシップや業界・業種説明会など、広報活動開始前の取り組みに注力する企業が増え、実質的な採用活動はすでに始まっている。
 早期化が進む中で、学生に対して認知度の低いBtoB企業や中小・ベンチャー企業で採用に成功しているのは、独自のインターンシップに取り組んだり、学生との接点を増やすための工夫を行っている企業だ。
 プライマリー・アシストの石山知良社長は「若年層の仕事探し志向が大きく変化し、企業規模、給与などの条件以外に、働く環境面を重視する学生が増えており、企業も対応を迫られている」と訴える。

 採用成功企業は自社の魅力を伝えて共感を生むことで意欲の高い優秀な学生を採用できており、内定辞退も少ない。もはや賃金や処遇だけが魅力の採用活動では意欲の高い学生を確保できない。経営者、社員が様々な機会を通して会社の魅力を全社を挙げて伝えていくような採用活動が必要だ。

中途採用

 中途採用も人材争奪戦が継続する見込みだ。人材コンサルティング会社の8割以上が今年の求人は増加すると回答しているためだ。
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