2008年10月31日

富士通 田籠喜三 人材採用センター長 育成と対話を基本方針として、多様なインターンシッププログラム展開

富士通は、通信システム、情報処理システム、電子デバイスの製造・販売とその関連サービスを提供している。「育成と対話」を基本方針に、多様なインターンシッププログラムを展開し、成長できる資質を持った人材を厳選する採用活動を行っている。同社人事部人材採用センター長の田籠喜三氏に採用戦略を聞いた。

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田籠喜三 人事部人材採用センター長

「海外」と「ITサービス分野」での成長がコア・コンピタンス

 富士通は、ITを活用する顧客の戦略的パートナーとして、顧客の経営課題の解決に努めることをビジネスの柱としている。したがって、高い専門性と技術力が不可欠で、そのリソースを共有することで生まれるシナジー効果が同社の高い総合力の源となっている。
 事業内容は、サーバーやパソコン、デバイスなどを製造するメーカーとしての側面と、ITシステムの構築から保守、サポート、アウトソーシングなど広い意味でのITサービス業という二つの側面に分けられる。
 事業規模はほぼ半々だが、現在、成長が著しいのはIT サービス分野である。従業員は、グループ全体で17万人。うち国内が10万人、海外が7万人で、売り上げも人員も海外が伸びている。
 「海外」と「IT サービス分野」での成長が富士通のコア・コンピタンスになっており、グローバルにサービスを提供できる人材ならば、どこの国の人であっても良いというのが基本原則。今は現地法人が独自に採用活動を行っているが、それを共通化しワールドワイドに展開していく方向に向かいつつあるという。

「スキル」「ポテンシャル」「マインド」を求める

 富士通の成長分野と位置づけられているITサービス分野は、当然のことながら人材がリソースとなる。そこではどのような資質を持った人材が求められているのだろうか。
 「ずばり、高いスキルとポテンシャル、そしてマインド(情熱)を持った人です。当社は、多くのベンダーと協力してシステムを提供しています。一方で、ITはグローバル・スタンダードという側面を持っていますので、国内だけでなく世界の市場に流通している多様なソフトウェアの技術に精通した人材が求められます。
 ポテンシャルとは、社会人として行動を起こす力、考える力、チームビルディングの力、この3つの基礎力を持っていてほしい。そして、ひとたび顧客と契約を結べば、サービスは10年間といった一定期間にわたって継続することになるので、やり始めたら責任をもってやり通す、社会を支え、社会に貢献するのだというマインドを持ってほしいですね」(田籠氏)
 採用には新卒、グローバル、キャリア、障がい者などがあるが、中心は新卒採用である。グループ全体で2000人、富士通単独で600人ほどを採用している。1990年代後半は単独で700人~800人を採用してきたが、ITバブル崩壊を機に400人弱にまで減り、その後徐々に増やしてきた。
 「800人規模に戻さないのは、大学生の数や当社の企業力を考慮すると、600人が質にこだわる限界だと思っているからです。これ以上パイを広げると、上に行かず、下に向かうので質が落ちてしまう。無理な採用はやめようとの考えからです。職場からの要求は多いのですが、キャリア採用や外注など、多様な労働力確保でカバーしています」(田籠氏)

「育成と対話」が採用の基本方針

 富士通では、採用の方針として「育成と対話」というキーワードを掲げている。単に優秀な人材ということであれば、東大など大学のレベルで採用していけばこと足りる。
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