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【新卒採用】大手企業や一部の企業にエントリーが集中、追加の母集団形成施策を検討へ

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ディスコ
駒形 一洋 キャリタス就活 編集長

3月の採用広報開始から1か月、新たなスケジュールでスタートした2017年卒新卒採用マーケットはどのように動いたのか、学生・企業の調査をもとに分析します。

まず企業の採用活動の状況ですが、3月末時点で採用活動の感触は「苦戦」が4割強と回答し、「順調」の2割を大きく上回りました。規模が小さい企業ほどその傾向は顕著で、300人未満の企業では半数が苦戦と回答しています。

過半数が順調と回答した金融業界は比較的堅調なスタートを切ったと言えますが、全体の傾向としては苦戦している状況にあります。

苦戦のポイントはやはり母集団形成に表れており、前年よりエントリー数が減った企業は4割弱となっています。ただし約3割の企業は増えていると回答しており、短期化の影響を受け学生のアクションが集中し企業へのエントリー状況は二極化していると言えそうです。

学生のエントリー状況ですが、エントリー開始1カ月経過時点での平均エントリー数は37.3社と前年の44.7社から大きく減少しています。エントリーした企業を知った時期の内訳は、もともと知っていた企業が5割強で3月以前のインターンシップや企業研究で知っていた企業を加えると、76%を占めます。

短期化した企業研究期間のなかでよく知っている(大手)企業とインターンシップや事前の企業広報で接触を開始した企業にエントリーが集まったと言えそうです。

2016年卒モニター学生の約8割が広報解禁1か月以内にエントリーした企業へ入社を決めていました。しかし、2017年卒戦線での現状のエントリー数の減少傾向と短期化による選考集中を考えると、6月の選考で結果が出ず後半戦に就活を継続せざるをえない学生が増えるかもしれません。

企業側は2017年卒採用について危機感を持っているとの回答が9割以上もあり、さらに約半数の企業が追加母集団形成施策の検討を始めています。3月スタートに乗り切れなかった学生も一定層いることを考えると、今後も新たなマッチングは充分生まれるものと考えます。

学生のエントリー企業探しは就職情報サイト・合同企業説明会の2大ツールであることは変わりませんが、注目すべきものとして新卒紹介サービスが挙げられます。

物理的な活動時間が少ない今年の学生にとって自分に合った企業を紹介してもらえるので効率的に就活を進められます。特に、新たに企業探しをすることになる後半戦では頼もしい存在になるはずです。

また、母集団不足に悩む企業にとってみると、学生探しを紹介会社に頼むことができるため、新たな学生との出会いを期待することができます。就職サイトを利用しながら、新卒紹介サービスを併用する流れは昨年よりも既に増えており、さらに今後も増えそうです。

企業、学生ともに選考結果のピークである6月から、万が一に備えスムーズに活動できるように、学生も企業も切れ目を作らないことが今年の戦線の鍵と言えそうです。

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