2011年1月10日

組織改革で迫られた経営判断、分業型から両面型への回帰断行 ジェイ エイ シー リクルートメント 松園健社長

ホワイトカラー人材紹介事業で唯一上場しているジェイ エイ シー リクルートメントで、1日、松園健氏が新社長に就任した。組織改革によって業績を立て直した後の就任である。松園氏にリーマン・ショックを乗り切った同社の経営改革と今後の抱負を聞いた。

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松園健 代表取締役社長・COO

【プロフィル】
1958年1月3日生。広島県出身。2008年、ジェイ エイ シー リクルートメント営業副本部長。2009年、同社営業本部長・専務取締役。2011年、同社代表取締役社長・COO就任。

2008年に同業会社の役員から転進されていますが、いきなりリーマン・ショックという難しい局面になりました。

 2008年9月のリーマン・ショック直後の11月に、営業副本部長として当社に入社しました。入社直後のリーマン・ショックの影響で、トヨタ自動車を始めとする多くの企業の採用が止まり、業界各社の売上が半分になってしまったことを鮮明に記憶しています。
 翌年の3月に、専務取締役営業本部長に就任し、営業の実質的な責任者として業績の建て直しに取り組み始めました。一連の業績の建て直しに道筋がついたことから、この1月から代表取締役社長・COOに就任することになりました。
 サブプライム問題が2007年秋から起きており、当時から求人は下降トレンドに入っていました。それまで、新卒採用を含め積極的な拡大を行っていましたが、新卒採用はサブプライム問題が顕在化する以前に行われていたために余剰人員の問題を回避できなかったのです。無論、こうした課題があることは入社前から認識していました。
 個人的には、03年以後、業界全体がコンサルタントさえ増やせば、売上が伸びるという異常な状態が続いていましたので、人材紹介業のバブルが続いていたと考えています。
 いずれ、絶対に人材紹介業の真価が問われるフェーズがくることは分かっていましたが、これがリーマン・ショックで否応無く厳しい局面に立たされてしまったということです。今回の世界同時不況は、予想をはるかに超える出来事でした。

経営陣の間では、どのような話し合いが行われて、どのような改革を実行したのですか。

 ここに至る2年間は、苦渋の決断が続きましたが、前社長の田崎ひろみ(現代表取締役会長・CEO)を中心に、執行役員を含め、かなりの時間を費やし議論しました。事業推進のために経営陣が絶えず相談しながら、非常にスピーディーに改革を進めることができました。
 議論の中で、当社のビジネスのコアは、「創業者でもある田崎がコンサルタントとして事業を立ち上げた時の思いと長年掛けて培ったやり方が当社における人材紹介の原点であり、一人ひとりのコンサルタントが企業とキャンディデイトの両面を担当することで、ミドルマネジメント、スペシャリスト、インターナショナルという独自のポジションの人材紹介で高いクオリティを発揮していることが強みである」という結論に達しました。
 そこで、これまで中心だった求人企業とキャンディデイトを別々のコンサルタントが担当する分業方式による人材紹介コンサルティングから、双方を一人のコンサルタントが担当する両面型に原点回帰しようということを再確認しました。
 より求人案件と企業への理解度を深く持ち、コンサルタントの専門的な能力を高め、かつキャンディデイトのキャリアをサポートできるような紹介を目指すことにしたのです。
 当社は、03年にコンサルティングの体制を両面型から分業型へ大きく転換しています。当時のマーケットと景況感等に後押しされて、分業型に移行して業績を拡大し、06年にジャスダックに上場することができました。そして、その後も好調に推移していきました。
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