2018年10月12日

【地方企業の中途採用】近隣の転職希望者を探しても候補者は少なく、事業・技術承継が困難

プロハント 小野田 慎也 取締役 営業本部長

 (22712)

 厚労省が「人材の地方移動(UIJターン)支援」を積極化しているように、地方の労働人口減少が著しくなっています。事業承継も、ふさわしい人材が見当たらず、他企業への吸収、「倒産」ではなく人材不足で「廃業」を迫られる企業も珍しくありません。

 今後10年間で廃業による離職人口650万人、失われるGDP22兆円、かつ後継者不在と答えている経営者66.5%という試算もあります。事業承継に限らず、高い技術を持ちながら、技術承継も被承継者の存在が少ないのも現状です。

 現在の転職市場では都市部でも人材確保に苦戦しています。地方企業は自治体と連携しても打つ手が無く、採用を諦める企業も出ています。近隣の転職希望者を探すため、候補者の母数が少ないのも原因の一つと思われます。

 現在、当社で取り扱う依頼の半数以上が首都圏以外となっています。自動車・機械・化学・建設等業界は問わず、若手層から、中心となる中堅層・経営者層と幅広く、地方企業の人材不足を感じています。職種としては、経営の屋台骨となる部門(経営企画・経理・人事)やエンジニア職が中心です。

 採用の成功は、経営者・採用責任者の「本気度」が左右します。「来てくれるだろう」という姿勢ではなく、「是非欲しい」という姿勢が、相手の気持ちを大きく揺さぶります。本来、転職市場にいない人材のスカウトなので、例えば、社長が候補者を口説きに自宅訪問まで行うことが大きな動機付けとなり、決定打となることもあります。

 地方への転職の場合、給与が下がることも予想されますが、当該地域の生活水準の理解を得て支度金などで調整するなど、熱意を表現することが重要です。もちろん、家族を伴って転居するケースでも、安心できる生活環境や、都市部では得られない教育環境等も大きな点になると思います。

 地方企業の採用は、都市部とは違うハードルがあります。「採用する」という姿勢ではなく「是非来ていただきたい」という候補者を「招く」姿勢が、採用を大きく変えます。

プロハント「転職市場に出てこない人材を独自調査で発掘し、企業の戦略的人材獲得に貢献します」 - 人材コンサルティング会社&サービスガイド100選

プロハント「転職市場に出てこない人材を独自調査で発掘し、企業の戦略的人材獲得に貢献します」 - 人材コンサルティング会社&サービスガイド100選
小野田 慎也 取締役 営業本部長

おすすめの記事

給与は上がらず負担増、中間管理職の苦悩

給与は上がらず負担増、中間管理職の苦悩
「いつかは課長や部長になりたい」と、誰もが一度は考えたことがあるのではないか。しかし最近出世を望んでいない人が増えてきているという。この背景にある中間管理職の現状を紐解き、管理職が抱えている苦悩について説明していく。(文・溝上憲文編集委員)
6 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

関連する記事

社長「輩出率」トップは徳島県、「地元率」のトップは沖縄県

社長「輩出率」トップは徳島県、「地元率」のトップは沖縄県

東京商工リサーチの調査によると、社長「輩出率」は徳島県が1.40%(前年1.36%)で 4年連続トップとなった。
本社を地方へ移す企業は増えず、大阪から東京圏への転入が最多

本社を地方へ移す企業は増えず、大阪から東京圏への転入が最多

 政府は“地方創生”を目指しているものの、本社を地方へ移す企業が増えていないことが、帝国データバンクの「1都3県・本社移転企業調査」で分かった。
【新潟の中途採用】U・Iターン人材の確保は地方都市の共通課題

【新潟の中途採用】U・Iターン人材の確保は地方都市の共通課題

絆コーポレーション 小川 潤也 代表取締役
アウトソーシング事業が売上構成比20%超に成長 マンパワーグループ 池田匡弥副社長

アウトソーシング事業が売上構成比20%超に成長 マンパワーグループ 池田匡弥副社長

改正派遣法の施行もあり、人材派遣業界は年々縮小傾向にある。大手人材派遣会社の業績は横ばいだが、各社厳しい経営が続く。そこで、大手人材派遣会社マンパワーグループの池田匡弥副社長に今後の成長戦略を聞いた。

この記事のキーワード

この記事のライター

編集部(レポート担当) 編集部(レポート担当)

サイト会員限定記事

セミナー・イベント

プレスリリース