2016年9月1日

イノベーションを生み出す人材と組織の条件とは

IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)などによって、これまでのビジネスモデルが大きく変わろうとしている。経営戦略の実現のために新たなビジネスモデルをつくりだすイノベーション人材の獲得や組織づくりは、経営トップや人材マネジメントにとって喫緊の課題となっている。イノベーションを生み出す人材と組織づくりの現状を取材した。

自ら変えていこうとする“経営者の覚悟”が最も必要

 (9002)

アステラ・サーチ 野崎 義朗 代表取締役社長

 中長期の経営戦略でイノベーションを起こしていくために、キャリア採用を実施する企業が増えている。既存社員のアセットでは、能力が違うために新たな分野にチャレンジすることができないためだ。

 キャリア採用の社員を活かしてイノベーションを生み出す組織に変えていくには、トップが自ら変えていこうとする“経営者の覚悟”が最も必要になる。既存社員とイノベーションを前提に入社した社員との間ではあつれきが生じやすいため、経営者がその違いを十分に理解して組織を運営していかなければならない。

 そして、チャレンジし失敗しても許容できるように日々のコミュニケーションを図ることが大切。グローバルなM&Aも同様で、報酬、配属、風土変革等で経営者の本気度を具体的に示していくことが重要になっている。

経営や事業に寄与できる人事が求められている

 (9004)

Indigo Blue 寺川 尚人 代表取締役社長

 経営トップの人事に対する期待度は高い。従来やってきた制度設計や運用ではなく、経営や事業に寄与できる人事が求められている。

 競争力や企業価値を上げるための戦略的な仕掛けや仕組み、人材を見つけ出して鍛え、必要なタイミングに人材を用意できるようにするなど、グローバルな企業と伍して戦えるような人材戦略が期待されている。

 経営環境、競争相手やルールも変わっていく中で、経営戦略の変更が求められているためだ。戦略の変更は、イコール人材の変更ということになる。

 既存事業の延長線上でビジネスを発展させて継続し続けられる人材と、全く違うステージで勝負しなければならない環境の中で生き残っていくことができる人材をつくることを同時に達成しないと会社の競争力は維持できない。

新しい分野に挑戦する社員を評価する風土を創り上げる

 (9005)

JTBコミュニケーションデザイン 大塚 雅樹 常務取締役

 イノベーション人材とは、市場の変化や社会課題を捉えて、社内外の資源を使って新しいビジネスに突き進めるような人だろう。社外志向を持って多様な人々と触れ合い常に情報をインプットしていないと、イノベーションの入り口にすら立てない。
 また、良きメンターを得て多くのメンバーを巻き込む必要があるため、自らの思いを的確に伝えられるコミュニケーション能力の高さも欠かせない。
 社内にイノベーション人材を増やすには、例えばアイデアコンテストや社員表彰イベントの定期的な実施、事業開発室の常設などで新しい分野に挑戦する社員を評価する風土を創り上げることが必要。
 モチベーションサーベイなどを活用して社員の資質や状態を定量的に把握し、教育や施策の有効性を検証することも大切だ。
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