2017年10月4日

【海外出張者と駐在員のリスク管理】ラスベガス 野外コンサート会場へ向け男が銃を乱射 59人死亡 527人負傷

世界中でテロやトラブルが頻発している中、海外出張者と駐在員のリスク管理を今まで以上に徹底していく必要がある。危機管理のプロであるオオコシセキュリティコンサルタンツの廣瀬シニアコンサルタントに、ラスベガス銃乱射事件の概要と共に考察と対策について寄稿してもらった。

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 ネバダ州ラスベガスで1日夜、カントリー音楽のコンサート会場に向け、男が近くのホテルの32階の部屋から銃を乱射し、59人が死亡、527人が負傷した。警察の特殊部隊が男の部屋に突入したが、男はすで自殺していた。米国内で史上最悪の銃乱射事件となった。

 ホテルの部屋からは、ライフル銃17丁と拳銃1丁が見つかった。男は、320メートル離れた会場に向けて数分間に渡り100発以上を乱射したとされ、集まっていた観客約2万人は、頭上から降り注ぐ銃弾をかわそうとして地面に伏せたり、会場出口に殺到したりしてパニック状態になった。

 警察は、容疑者の男は同州メスキートに居住する年金暮らしの64歳と断定して、2日に容疑者の自宅を捜索し、銃18丁や弾薬数千発のほか、爆発物と爆弾製造の材料を押収した。

 事件直後、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したが、米連邦捜査局(FBI)は、容疑者とISなどのイスラム過激派組織との繋がりを示す証拠は見られず、ISの関与を否定している。容疑者には犯罪歴や精神疾患などの病歴もなく、宗教的・政治的な思想も見られず、捜査当局は犯行の動機について詳しく捜査している。事件を受け、ラスベガスのマッカラン空港が一時閉鎖された。

事件について考察と対策

 捜索段階では「イスラム国(IS)」に関係していることを証明する資料はなかったことから、FBIはISとの関係を否定しているのであろう。通信手段等の解析で動機が解明されることになるかも知れない。

 問題は、なぜ60歳を過ぎた男が大量の武器や弾薬を入手できたのか、入手していたのか、なぜ大量の武器をホテルに持ち込めたのか、いくつも疑問が残る。コンサート会場を見おろすことができるホテルの部屋、銃弾が届く位置、コンサートが最高潮に達した時間に合せた銃撃などから判断して、明らかに用意周到に計画された乱射事件である。

 これまでのテロ事件や、アメリカでしばしば発生する乱射事件は、襲撃対象者の直近で犯行に及ぶことが常だった。会場を警備していたであろう警戒線の外側からの攻撃だった。銃社会のアメリカでは、同様の銃乱射事件が発生する可能性がある。新たな銃乱射の手口として念頭に置いておいた方がいい。


オオコシセキュリティコンサルタンツ 廣瀬幸次 シニア・コンサルタント

オオコシセキュリティコンサルタンツ「海外駐在員とその家族を守る危機管理コンサルティングで人事部門を支援しています」 - 人材コンサルティング会社ガイド100選

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大越 修 代表取締役社長
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