2016年8月3日

働き方改革とリーダー育成で“人財”を獲得し、競争力を高める MSD 太田直樹 取締役執行役員

「2020年までに日本で最も優れたヘルスケア企業となることを目指す」というビジョンを掲げるMSD。「優れた人財から選ばれる企業となる」ことを目的として、働き方改革やリーダー育成に注力している。人事部門を統括する太田直樹氏に、人事施策の狙いや取り組み状況などを聞いた。

「働き方の選択肢を増やすことだけが目的ではなく、新しいことにチャレンジし、個々人がイノベーションを起こすことが狙いです」

 (8955)

太田直樹 取締役執行役員 人事部門統括 兼 人事部門長

現在、実施している働き方改革について教えてください。

 当社は2010年に万有製薬とシェリング・プラウが経営統合して誕生しました。その際、「2020年までに日本で最も優れたヘルスケア企業となることを目指す」というビジョンのもと、「評判」「成長」「人財」という3つの柱からなる長期成長戦略を立てました。
 その中で「人財」は、「優れた人財から選ばれる企業となる」ことを目的として、「人財育成」「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性/個性を活かす)」「企業文化と社員エンゲージメント」の3項目に注力しています。
 この3項目は相互に関連していますが、多様な人財を獲得し、企業として競争力を高めていくためには、働き方の選択肢を広げ、社員一人ひとりが多様な選択肢の中から自分らしい働き方を選ぶことのできる環境を整えていくことが重要だと考えています。
 例えば、製薬会社の営業職は転勤の多い職種ですが、様々なライフイベントで転勤できない社員に働き方の選択肢を提供するために2014年3月に地域限定勤務の販促子会社「日本MSD」を設立しました。
 社員が希望する地域で転勤せずに働き続けることができ、キャリアと生活の選択肢を広げることはもちろん、顧客との長期のリレーションを通して地域密着の営業活動の展開が可能となりました。また、地域限定勤務を希望しなくなった場合は、MSDへの復籍も可能です。
 当初、この制度は子育て中の女性社員の利用を想定していたのですが、介護を理由に転勤をしたくないという中高年社員のニーズが思いのほか多いことが分かってきました。転籍希望者の社内応募に申込む社員の半数以上は介護ニーズを抱える男性の中高年社員です。

誰もが活躍できる環境づくりを進めている

MSDの「多様で柔軟な働き方」に関する主な取り組み

MSDの「多様で柔軟な働き方」に関する主な取り組み

労働力不足で人事では社員の定着や女性活躍推進が課題になっています。

 現在13%の女性管理職比率を2020年までに25%に引き上げる方針です。そのためには、リーダー人財の育成ももちろんですが、男女を問わず、誰もが活躍できる環境づくりを進めることが大切です。
 今年4月には、「在宅勤務制度」を拡充しました。これまでは理由を問わず利用できる在宅勤務は原則週1日が上限で、対象は内勤業務に従事する社員に限定していました。変更後は週何日でも何カ月でも無制限に在宅勤務が可能となるだけでなく、利用できる社員を全社員に拡大しています。
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