2016年1月19日

企業が優先対応すべきリスクは「海外」と「人材不足」

 監査法人のトーマツが実施した企業のリスクマネジメント調査(2015年版)によると、企業が優先対応すべきリスクとして、「海外拠点の運営に係るリスク」と回答した企業が最多となったことが分かった。

 (3684)

 企業のリスク管理担当者に対して対応を優先すべきリスク(1社につき最大3項目まで)を聞いたところ、「海外拠点の運営に係るリスク」(46%)、「子会社ガバナンスに係るリスク」(44%)、「情報漏えい」(25%)、「海外企業買収後の事業統合リスク」(19%)、「海外取引に係るリスク」(18%)、「人材流出、人材獲得の困難による人材不足(16%)、「製品、サービスの品質チェック体制の不備」(13%)、「財務報告の虚偽記載」(11%)、「地震・風水害等、災害対策の不備」(10%)、「役員・従業員の不正」(10%)の順に多かった。

 1位の「海外拠点の運営に係るリスク」は前年から18ポイント上昇して、2年ぶりのトップとなった。企業規模別に見ると従業員数1000人未満企業は45%で1位、1000人以上企業は47%で2位だった。

 2位の「子会社ガバナンスに係るリスク」は前年から15ポイント上昇した。選択項目として採用された2011年から上昇傾向が続いている。従業員1000人以上の企業では50%で1位だった。

 3位の「情報漏えい」は前年から6ポイント減で前年1位からランクダウンしたが、3年連続で3位以内に入っている。

 4位に「海外企業買収後の事業統合リスク」、5位に「海外取引に係るリスク」が入り、上位を海外関連の内容が占めた。

 6位の「人材流出、人材獲得の困難による人材不足」は前年と変わらず6位だったが、選択した企業の割合は3ポイント増加。2008年の1位からリーマン・ショック後の09年に11位へ急落した後、10年7位、11年12位、12年10位、13年8位、14年6位と上昇してきている。

 企業規模別に見ると従業員数1000人未満企業は19%で4位、1000人以上企業は13%で7位となっており、中堅中小企業で人材確保がより困難となっている様子がうかがえる。

 9位の「地震・風水害等、災害対策の不備」は、東日本大震災後の11年に1位となった後、、12年(1位)、13年(3位)、14年(4位)と徐々にランクダウンし、選択した企業の割合も前年(21%)から半減した。

 リスクマネジメント体制の構築状況を聞いたところ、「適切とは言い切れない部分がある」(63%)と「全体として整備が不十分」(19%)を合わせて8割を超える企業が課題を抱えており、その理由として「リスクの考え方が共有できていない」(45%)、「人材資源が不足」(41%)を挙げる企業が多かった。

 調査はトーマツが開催したセミナーに出席したリスク管理担当者を対象に実施し、237社から回答を得た。
2 件

人事向け限定情報を配信中

人事向け限定情報を配信中