2015年4月10日

グローバル標準の制度へ 職能資格から職務・役割に一本化

グローバル競争力の強化を図るため、「職能資格等級」から「職務・役割等級」へ移行するなど、伝統的大企業を中心に年功要素を完全に排除した人事制度を導入する動きが相次いでいる。

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 日立製作所、パナソニック、ソニーといった電機大手は今年4月から年功要素を廃した「職務・役割等級」に賃金制度を一本化した人事制度を始動した。
 職務・役割等級(役割・職務給)とは言うまでもなく、本人の職務遂行能力など「人」を基準に給与を決定するのではなく、「仕事」を基準に決定するものだ。
 年齢や能力に関係なく、本人が従事している職務や役割に着目し、同一の役割であれば給与も同じ。ポスト(椅子)で給与が決定し、ポストが変われば給与も変わり、当然ながら降格・降給が発生する。しかし、大企業は必ずしもそうはなっていなかった。
 日本生産性本部の調査(2014年3月)ではすでに職務・役割給の管理職の導入率は76.3%、非管理職層では58.0%に達している。
 しかし、職能給と併用している企業が多く、管理職層では「職能給+役割・職務給併用企業」が5割近くを占めるなど年功的部分が残っていた。

パナソニックは管理職の給与で年功要素を完全に廃止

 職務・役割給一本化の背景には①年功的処遇制度の払拭によるグローバル人材マネジメントの構築、②競争力を確保するための人件費構造の見直しと人事の流動化―がある。
 パナソニックは昨年10月に「役割等級制度」を管理職に導入し、今年4月から一般社員に拡大した。対象者は国内約7万人規模に及ぶ。特に管理職の給与は年功要素を完全に廃止する。
 従来の制度は「主事」「参事」など資格に基づく職能資格等級を軸に運用してきた。新制度は役割ごとに給与が決まり、異動で役割が変わると等級が変動し賃金が増減する。役職者の職責・役割に基づく給与を明確にすることでグローバル人材の確保と強化を図る狙いがある。
 ソニーは10年前に導入した制度を改定し、新たに「現在果たしている役割」のみに着目した「ジョブグレード制度」を4月から導入した。新制度は国内のソニー本体を中心に子会社など計3万人が対象になる。
 従来の制度も成果主義を標榜していたが、過去の実績や将来への期待を含めた仕組みであり、結果として年功的要素が残っていた。

ソニーはジョブグレード制の導入で20代の管理職も誕生

 ソニーは10年前に導入した制度を改定し、新たに「現在果たしている役割」のみに着目した「ジョブグレード制度」を4月から導入した。新制度は国内のソニー本体を中心に子会社など計3万人が対象になる。
 従来の制度も成果主義を標榜していたが、過去の実績や将来への期待を含めた仕組みであり、結果として年功的要素が残っていた。
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