2016年12月6日

「過重労働解消相談」1日で712件、家族からの相談も199件

 厚生労働省が11月6日に実施した「過重労働解消相談ダイヤル」に712件の相談があった。労働者本人だけでなく、労働者の家族からの相談も199件あった。

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 無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」には、合計で712件の相談が寄せられた。

 相談内容は、「長時間労働・過重労働」に関するものが340件(47.7%)と一番多く、「賃金不払残業」の305件(42.8%)で9割を占めた。3番目は「休日・休暇」が53件(7.4%)だった。

 相談者は、労働者本人が432件(60.7%)、労働者の家族が199件(27.9%)、その他が81件(11.4%)。

 事業場の業種は、「製造業」が最も多く103件(14.5%)、次いで保健衛生業101件(14.2%)、商業89件(12.5%)となった。

 これらの相談のうち、労働基準関係法令上、問題があると認められる事案については、相談者の希望を確認した上で労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなど、対応を行う予定だという。

1カ月の残業が80時間を超えている、残業代が一切支払われないなど、特に深刻と思われる事例

◆不動産会社の営業(金融・広告業)
相談事例には、定時前に3時間、定時後に6時間程度の残業をしており、月の残業時間が200時間を超えている。終電がない場合は自腹でホテルに泊まることもある。労働時間は自己申告により管理されているが、36協定で定める時間を超えてしまった場合は、上司が労働時間を書き直している(40代、労働者)

◆機械部品製造会社の総務(製造業)
人員不足のため、毎日7時間程度の残業を行っており、月100時間を超える残業を行っている。労働時間は自己申告により管理しており、パソコンに入力していたが、上司が自分のチームの残業削減を業績目標としているため、残業が少なくなるよう改ざんしている(50代、労働者)
◆商社の営業(商業)
普段から1日4時間程度の残業がある。また、休日である土曜日に会議が開催されることもあり、月80時間程度の残業を行っている。しかし、会社は36協定を締結していない(30代、労働者)

◆建設会社の作業員(建設業)
日給制で働いているが、入社当初から「残業代は出ない」と言われていた。実際に現場で作業したところ、直近では夜中の3時まで残業を行ったが、本当に残業代が支払われなかった(40代、労働者の家族)

◆印刷会社の営業(製造業)
休日は月8日となっているが、休日出勤も多く、代休がたまっていく。会社全体として、たまった代休の消化ができていない。このような状況のため、有給休暇を申請しても「代休が消化できていないのであれば、有給休暇を与えることはできない」と取得を拒否される(20代、労働者)

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