2016年2月17日

賃金改善の理由 「労働力の定着・確保」が過去最高

 帝国データバンクが実施した賃金動向に関する企業の意識調査によると、労働力の定着・確保のために賃金改善を見込む企業が増加していることが分かった。

 (3687)

 2016年度に正社員の賃金改善(ベースアップ、賞与・一時金の引き上げ)が「ある(見込み)」と回答した企業は、前年調査(2015年度見込み)を2.0ポイント下回る46.3%となった。

 一方、賃金改善が「ない(見込み)」と回答した企業は23.7%で、前年調査を3.7ポイント下回った。

 「ある(見込み)」と回答した企業の割合はリーマン・ショックで大幅な減少となった2009年調査以来の減少に転じたが、「分からない」が増加したため、「ある(見込み)」の企業が「ない(見込み)」の企業を6年連続で上回った。

 「ある(見込み)」と回答した企業の割合を業界別に見ると、「運輸・倉庫」(49.0%)、「建設」(48.7%)、「製造」(47.8%)、「サービス」(47.2%)などが多く、「金融」(24.0%)が最も少ない。また、「大企業」(42.9%)よりも「中小企業」(47.3%)で賃金改善を見込む企業の割合が多い。

 賃金改善の具体的内容では「ベースアップ」(35.5%)、「賞与(一時金)」(26.0%)で、前年調査に比べて「ベア」が1.2ポイント減、「賞与(一時金)」が1.4ポイント減となった。

 賃金改善が「ある(見込み)」と回答した企業の理由(複数回答)では、「労働力の定着・確保」(73.8%)が前年調査(68.0%)から増加し、2006年の調査開始以来、最も高くなった。次いで、「自社の業績拡大」(46.2%)、「同業他社の賃金動向」(21.1%)「物価動向」(14.9%)と続いた。
 前年に比べて「自社の業績拡大」と「物価動向」が減少し、「労働力の定着・確保」と「同業他社の賃金動向」が増加した。「同業他社の賃金動向」の回答も過去最高となっている。

 賃金改善を見込む企業の個別コメントには「労働力の質の向上のため」(化学製品卸売、北海道)や「すべては人員確保のためであり、苦渋の選択」(情報家電機器小売、富山県)といった内容が見られる。

 同調査は、1月18日~31日に、全国1万519社から回答を得た。
2 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

関連する記事

実質賃金0.2%減、11カ月ぶりの減少 11月勤労統計

実質賃金0.2%減、11カ月ぶりの減少 11月勤労統計

 物価変動の影響を除いた実質賃金が前年同月比0.2%減となったことが、厚生労働省が発表した16年11月の勤労統計調査(速報、事業所規模5人以上)で分かった。
実質賃金横ばい、残業時間の減少続く 10月勤労統計

実質賃金横ばい、残業時間の減少続く 10月勤労統計

 物価変動の影響を除いた実質賃金が前年同月比で増減なしとなったことが、厚生労働省が発表した10月の勤労統計調査(速報、事業所規模5人以上)で分かった。
中堅・中小企業の賃上げ 前年を上回る

中堅・中小企業の賃上げ 前年を上回る

 2016年中に平均賃金を引き上げた企業が8割以上となり、中堅・中小企業の改定額が前年を上回ったことが厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」で分かった。
大卒初任給20万3400円で過去最高

大卒初任給20万3400円で過去最高

 2016年の大卒初任給は前年比0.7%増となる20万3400円で、過去最高額となったことが厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で分かった。
同一労働同一賃金で見直し必至の日本的賃金・処遇制度

同一労働同一賃金で見直し必至の日本的賃金・処遇制度

政府による「同一労働同一賃金」の実現に向けた動きが本格化している。法改正が行われると現在の賃金・処遇制度を見直さざるを得ない企業も多いだろう。法律やガイドラインの内容に注目が集まっている。

この記事のキーワード

この記事のライター

編集部 編集部

セミナー・イベント

プレスリリース