2017年11月28日

2016年 世界有力企業ランキング

世界有数の経済誌「フォーブス」が、2016年度版の「世界の有力企業2000社ランキング(グローバル2000)」を公開しました。今年で14回目となるランキングですが、トップ3を独占したのは昨年に引き続き中国の大手銀行でした。

グローバル2000を中国銀行が席捲

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フォーブスの「グローバル2000」は、全世界の株式を公開している企業を対象に、売上高、利益、資産、市場価値を総合的に評価して決定されます。

今年は63カ国からランクインしました。グローバル2000の全企業を合計した総売上高は65兆ドル、総利益は2.4兆ドル、資産総額は162兆ドル、時価総額は44兆ドル。ただ時価総額の合計は、世界的な景気の停滞の影響を受けてか、昨年よりも約8%のマイナスとなりました。

トップ3の栄冠は、昨年に引き続いて中国の大手銀行が独占。第1位は中国工商銀行、第2位は中国建設銀行、第3位は中国農業銀行でした。

しかし昨年第4位で、中国4大銀行の一角を占める中国銀行は6位とランクダウン。第4位には昨年の5位から順位をひとつ上げて、アメリカのバークシャー・ハサウェイがランクイン。第5位にはアメリカのJPモルガン・チェースが入りました。

では、トップ3を占めた中国の大手3行とは、いったいどんな企業なのでしょうか。

中国工商銀行とは?

フォーブス・グローバル2000では4年連続トップに輝いている中国工商銀行。1984年に中国の中央銀行である中国人民銀行から分離・独立しました。

中国の4大銀行の中では最大で、総資産は3兆5000億ドル(約435兆円)。日本最大の三菱UFJフィナンシャル・グループの総資産が約298兆円と言えば、その規模が分かるでしょう。間違いなく、押しも押されもせぬ世界最大の銀行です。本店は北京市で、中国全土を中心に全世界に17613支店、約42万人の従業員を抱えています。

2006年10月に株式を公開し、香港証券取引所と上海証券取引所に上場しましたが、瞬く間に株価は急上昇。たった数ヶ月で欧米の金融機関を次々と追い越し、2007年にはついてに時価総額世界第1位に輝きました。

カナダの東亜銀行の株式の70%を取得、タイのACL銀行を買収、マカオの誠興銀行を吸収するなど、積極的な海外展開を行っています。

中国建設銀行とは?

フォーブス・グローバル2000で第2位にランクインする中国建設銀行は、国家の建設資金を効率的に管理するため、1954年に中国人民建設銀行として創設されました。

1980年代から個人貯蓄、企業貸付け、国際金融業務などにも進出。1994年には政府の金融改革を受けて、政策金融分野を国家開発銀行などに移管し、民間商業銀行となりました。1996年には現在の中国建設銀行に改称。2005年10月、中国4大銀行の中ではトップを切って香港証券取引所に上場しました。

本店は北京市で、中国国内を中心に約21000支店を抱え、総従業員数は約41万人。その名称が示すとおり、道路などのインフラ建設やエネルギー関連に強みがあり、中国国内のインフラ建設案件を数多く手がけています。

ただ2016年4月には中国共産党中央規律検査委員会から、300人を越える同行職員に規律違反があり、徹底したマネジメントが行われていないとの指摘を受けました。

中国農業銀行とは?

フォーブス・グローバル2000の第3位に輝いた中国農業銀行は、中国4大銀行のうちでも最大の支店数を誇る銀行です。

前身である農業共同銀行は、中国人民銀行との合併でいったんは消滅しましたが、1955年には中国農業銀行として独立。社会主義体制下での唯一の国家銀行だった中国人民銀行の子会社として、中国農村部の開発や融資、国家の農業支援などを取り扱っていました。1979年には組織形態を商業銀行へと変更。1994年には政府の金融改革を受けて、政策金融分野を中国農業発展銀行などに移管しました。

中国全土の隅々まで支店網を行き渡らせる同行は、支店数が約2万4000店、従業員数は約44万人、個人顧客数は約3億2000万人という、中国4大銀行の中でも最大のマンモス銀行です。しかし、営業の中心が農村部のため不良債権も多く、日本円で約13兆円にも上る不良債権を中国財政部に引き取ってもらうことで、ようやく2010年に上海と香港で株式上場を果たしました。

ただ、上場に際しては新規公開株投資として、なんと221億ドル、日本円で約2兆円もの資金を集めています。これは世界の株式上場史上でも最高額となっています。

2016年のグローバル2000の傾向

フォーブス・グローバル2000の7位から10位に入った企業を見てみましょう。

7位はアメリカのウェルズ・ファーゴ銀行で、昨年の10位からランクアップ。8位のアップルも、昨年の12位からトップ10に返り咲きました。9位には昨年7位だったエクソンモービル。そして日本企業ではトヨタ自動車が10位に食い込んでいます。

フォーブス・グローバル2000の全体としては、ここのところ中国が経済成長の伸び悩みを見せていることもあり、ランクインした中国企業の数は200社と、昨年よりも減少しました。しかし、トップ3は変わらず中国大手3行が占めるなど、依然として大きな勢力を保っています。

国際通貨基金(IMF)の見通しによると、中国の経済成長率は2016年が6.3%、2017年が6.0%と予想されています。原因は主に投資の減速で、よりバランスのとれた成長が求められていると言えます。多くの課題に直面している中国経済ですが、その動向が世界に及ぼす影響もまた大きなものとなっています。
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