2017年10月11日

働き方改革 各社サービス紹介

働き方改革実行に向けた新しいサービスが次々と発表されている。今回は人事担当者にとって特に役立つサービスを提供している企業を厳選し、サービス内容についての取材を行った。

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【人材育成】インソース/現場の状況を分析して、働き方改革の本質にコミット

 働き方改革では長時間労働の是正に重きが置かれがちだが、それだけでなく、限られた時間の中でいかに生産性を向上させるかが重要だ。

 インソースの「働き方改革達成支援コンサルティング」は、生産性向上につなげるためのアセスメント、現場調査、コンサルティング、研修などの一貫した支援が特徴だ。

 まずは社員の働き方やチームのムダな状況の把握など、現代の項目でアセスメントを行った上で、現場調査で仕事の流れや時間の使い方を分析する。これらに基づいたコンサルティングでは、生産性をあげるための「かんばん方式」など同社の独自メソッドを使って仕組み・意識づくりを支援し、研修やIT活用等で現場支援へとつなげていく。

 詳細な分析を通して、現場における生産性向上の妨げを明確にすることにより、実務に繋がる高い効果を見込んでおり、実施前と比べて業務時間や人手の20%減を目指しているという。

 生産性向上を目指すためにはまず、現場の管理職の意識を大きく変えていく必要があり、舟橋孝之同社社長は、「マネジャーには部下がいきいきと働けるチームづくりが求められ、仕事の進め方の見直しとともに、メンタルケアやフォローもこれまで以上に重要です」と話している。

【人材育成】インテグラス/マンツーマンのコーチングで企業の課題を直接解決

 組織全体の生産性向上を目指す上での課題として、社内コミュニケーションの低下やマネジメント力の不足を課題とする企業は多い。

 インテグラスは組織の変革や課題解決を行うためのコンサルティングや研修を請け負い、組織を変えることで企業全体を改善し生産性を向上させる支援を行っているが、社員の相互理解を深めるための研修ニーズが増えているという。職場に多様な雇用形態の社員が増えていることも相互理解が難しくなっている理由の一つだ。

 また、マネジメント研修では実務で扱う内容を取り入れて研修で得た知識をすぐに実行して改善につなげられるようにしている。

 最近特に注目されているのが、マネジャー以上の社員にマンツーマンでコーチをつける研修だ。対面でコーチングをすることで業務上の課題への直接解決を促すことができる。研修終了後の満足度も高く、大手商社などの大手企業を中心に導入されている。
ワンツーマンコーチングの全体像

ワンツーマンコーチングの全体像

【勤怠管理】e-就業ASP/勤怠管理データを、企業の健康経営促進に活用

 働く社員が心身共に健康で長く働けるように、企業は健康経営を進めていくことが求められている。

 ニッポンダイナミックシステムズが提供する「e-就業ASP」は10年来提供してきた勤怠管理機能だけでなく、昨年2月から新たに健康経営に役立てられるデータ活用機能「就業実績ピックアップ機能」を追加した。

 この機能を活用すれば、勤怠管理で記録したデータを集計し、社員の有給取得状況、残業過多や休みがちな社員などをピックアップし表示することができ、人事部門や管理職はデータに基づいて職場環境の改善や社員の心身ケアを進めていくことができる。

 現在200を超える企業が導入している。導入前、導入後も労務管理に強い同社担当者が直接訪問し、丁寧に対応するなどのサポートを充実させ、導入企業の満足度を高めている。また英語表記も可能なため、外資系企業の導入も多い。

 今後は「就業実績ピックアップ機能を強化し、最近注目されている勤務間インターバル制度にも柔軟に対応できるようにし、さらに企業の健康経営推進に貢献していきたい」(同社SB事業グループ営業担当)とし、勤怠管理情報と健康経営を今まで以上に連携できるようにする。

【勤怠管理】WiMS/SaaS/業務内容と時間を可視化し、生産性向上を促進

 勤怠管理には、出退勤の記録に留まらず、得られたデータを生産性向上に役立てることが求められる。

 ソリューション・アンド・テクノロジーの「WiMS/SaaS(ウィムスサース)」はERPを活かし人事・経理・総務のデジタルイノベーションを可能とするツールで、11月からは働き方改革を後押しする機能が追加される。

 一つは、社員の1日の業務内容と要した時間を可視化して業務計画と勤務実績が管理できる「予実績管理」機能で、一人一人のセルフマネジメントが促進される。

 もう一つは、経営者向けに提供されるダッシュボード機能だ。これまで人事担当者が取りまとめ報告していたデータ類を、グラフ等の視覚性に優れた分析結果で自動提示される。

 飯野泰史同社クラウドソリューション統括部統括部長は、「勤怠と人事評価の統合マネジメントやAIの活用の開発を進めている」と話している。
予実管理機能で社員の状況を可視化

予実管理機能で社員の状況を可視化

【組織診断】Employee Tech/社員の感情を分析し、離職率減少に寄与

 人材採用が難しい中で、高い離職率の改善は人事の喫緊の課題となっている。

 Emotion Techは、社員の感情解析を行い離職率の改善に寄与する組織分析システム「Employee Tech」の提供を8月から開始した。

 社員の自社推奨度を独自の方法で測り、分析結果から今後改善すべきポイントを的確に把握することができるシステムで、データ解析と分析ノウハウは特許を取得している。
 最大のポイントは分析結果が示されるだけでなく、担当のデータアナリストから詳細な分析レポートが提出される点で、「組織改善のための施策ごとに得られる効果が数値で示されるため、優先すべき施策が明確になる」(今西良光同社CEO)。

 また現場責任者が職場や社員ごとの状況をシステム上で確認できるため、すぐに必要な対応をとることで離職防止につなげられる。高い離職率に悩む企業が特に多いサービス業などでの利用が広がりそうだ。
レポートでは施策の優先度が明示される

レポートでは施策の優先度が明示される

【タレントマネジメント】iTICE/高い検索性で、スムーズに人材情報を集約・分析

 社内で人事情報を集めても、集めた情報の中から必要な情報をどのように引き出せばよいかで悩んでいる人事担当者は少なくない。

 カシオヒューマンシステムズの「iTICE」はタレントマネジメントシステムの中でも検索性の高さが特徴で、情報の集約や分析がスムーズに行える。「モデル人財検索」機能では、求められる人材像を登録すれば基準に合致した人がリストアップされ、人材配置や後継者選定に活用できる。

 またリストアップした社員を「人財バインダ」として保存し、対比分析やスキル変化を経年で追うことが可能だ。

 自社運用型のシステムであるためランニングコストがかからず、クラウドに抵抗がある企業でも導入しやすい。横塚麻里同社営業企画室リーダーは「収集したデータを分析してフィードバックできる機能や、AIの活用にも挑戦していきたい」と話し、データをさらに有効活用できるサービスを充実させていく方針だ。
人財バインダで社員のリストを保存

人財バインダで社員のリストを保存

【タレントマネジメント】SmartCompany/社員の能力を見える化し、戦略的な人材配置に貢献

 企業の人材不足が進行する中で、社員の能力を把握し的確に配置することの重要性が増している。

 日進サイエンティア「SmartCompany」は人事履歴情報やキャリア、スキル情報を一元管理し、「人
材の見える化」を実現するタレントマネジメントシステムだ。モジュールは目標管理、人事評価、キャリア管理、タレント分析など多岐にわたり、必要な機能のみ活用することができ、既存システムとの連携も可能だ。

 導入企業では定期的に人材情報を収集して現状を把握し、人事制度運用の効率化、さらには戦略的な人材育成や配置にも役立てているという。

 同社は「人事領域だけでなくITにも精通し、人事・ITの両面からのサポートが強み」(宮腰康弘同社ソリューション本部副本部長)で、長年培った経験に基づいて導入事例を示しながら相談に応じ、企業の不安を取り除いている。
提供可能なモジュールは多岐にわたる

提供可能なモジュールは多岐にわたる

【業務変革】書庫探/勤務場所を問わず、保管書類をPDFで取得

 ワンビシアーカイブズは、書類の保管と、その中から必要な書類をピックアップしPDFデータにして配信するサービス「書庫探(しょこたん)」を開始した。

 多様な働き方が広がる中で、働く場所を選ばずにスピーディーに必要書類を手に入れたいというニーズが拡大している。「書庫探」は、サービスの申し込み、書類の保管、書類のピックアップ、PDFデータ配信などを全てウェブ上で完結する。PDFデータ配信だけではなく書類そのものを配送することも可能で、多様な働き方に対応した形だ。

 同社は書類保管の専門企業として長い歴史があり、機密文書の安全な処分やPDFデータは暗号化して配信するなど、セキュリティー面のノウハウに強みを持つ。

 全ての書類を電子化しようとすると高額な料金がかかるが、「書庫探」では必要な書類を同社のスタッフが探し出して都度データ化するため、低価格での利用が可能だ。

 今後の事業展開について、今井賢同社営業開発部長は「現在は限られた地域でのみ受託しているが、今後は親会社である日本通運のネットワークを活用し、対応エリアを広げてさまざまな企業が利用できるようにしていきたい」と話し、サービス提供地域の拡大を目指している。

【業務変革】MAGENCY/デジタルを駆使した生産性の高い会議を実現

 会議や対面ミーティングの大部分が業務時間を圧迫する生産性の無い時間となってしまっているケースは多い。

 「MAGENCY」は会議の効率化をデジタルで実現し、今まで受動的だった会議を能動的に変えるサービスだ。一人一人がクラウド上のプラットフォームにログインした状態のモバイル端末を持って会議に出席し、会議中はモバイル端末上に出された多数決に投票したり、質問を投げかけたりすることによって、従来のように一方的に話を聞くことを防ぎ、双方向の会議が実現できる機能が備わっている。

 また体裁を考えて積極的に発言しないということをなくすため、モバイル端末から匿名でも意見を書き込めるため、より多くの発言を促す効果があるという。

 少人数の会議から1000人規模の講義形式にまで対応し、定期的に使用するだけでなく、必要な時にスポットで利用をすることもできる。
ネット環境が無くても、専用機で接続可能

ネット環境が無くても、専用機で接続可能

【福利厚生】リロクラブ/手厚い福利厚生で、育児・介護での職場離れを抑制

 育児・介護などで職場を離れなければならない社員をサポートし、働きやすい職場環境づくりを進めることが人材不足の改善につながる。

 リロクラブは「会社の育児制度が社員に十分に知られておらず、活用されていない」という企業人事の声を受け、福利厚生支援サービス「福利厚生倶楽部」の導入企業に対して「Relo育児応援サイト」を提供し、社員が自社の育児制度、保育園や公的サービスなどの情報が収集できるよう支援している。
 さらに7月からは全国の医療介護サービス会社と提携し、共働き世帯の家事負担の軽減や介護サポートのための「家事代行補助制度」を開始している。企業は1000円単位で補助額を変更することができ、利便性の高い運用方式が特徴だ。

 働き方改革の取り組みが本格化していることから、杉山新吾同社常務取締役は、「ワークライフバランスの切り口からのサービスをさらに展開していきたい」と話している。
「Relo育児応援サイト」

「Relo育児応援サイト」

【健康経営】ボディチューン・パートナーズ/健康行動アセスメントで、個人のパフォーマンスを上げる

 働き方改革に伴い、健康経営銘柄や健康経営優良法人ホワイト500への選定を目指す企業が増え、健康経営のニーズは高まっている。

 ボディチューン・パートナーズはビジネススキル研修に加え健康人財育成研修を提供しており、ビジネスと健康の両面から人の成長をサポートしている。6月からは健康行動アセスメント「THe-da」の提供も開始し、アセスメントの結果を受けて研修内容を個別に調整することで、パフォーマンスの向上に直接アプローチできる研修を行っている。

 健康な体、心、脳を維持することをビジネススキル習得の一環として捉え、ビジネススキル向上と健康維持への行動変容を促す研修コンテンツ開発が可能な講師を有している点が他社には無い特徴。

 「健康経営は健康経営銘柄等に選定されて終わりではなく、健康な社員を増やすことで個人のパフォーマンスを上げ、長く働いてもらうことで企業として持続可能性を向上させることを最終的な目標としてもらいたい」(鈴木祐子同社マネジメントディレクター)とし、健康経営を企業の生産性向上につなげていく。

 今後は「THe-da」を取り入れた研修の増設や、リモートワーク等さまざまな出勤形態の社員に対しての研修を新たに取り入れていく予定。

【テレワーク】Cisco Spark/リアルタイムな情報共有ツールで、テレワークを促進

 多様な働き方が広がる中で、働く場所を選ばずに仕事を行う社員が今まで以上に増えることが予想される。しかし社内との意思疎通の難しさからテレワークなどの実施をためらう声も少なくない。

 ネットワンパートナーズが販売する「Cisco Spark」はクラウドを使ったコラボレーションプラットフォームだ。

 まるで社内にいるかのように従業員同士がリアルタイムで情報共有ができる。メッセージを送ったり、ビデオ通話やミーティングをしたり、ファイル共有もできる。また、社内だけでなく取引先ともネットワークを組むことができるため、営業活動などの迅速化も期待される。

 パソコンやスマートフォンなどさまざまなデバイスに対応し、やり取りされるデータは全て暗号化される。

 𠮷川和也同社マーケティングエキスパートは、「セキュリティー面での評価が高く、さらに他サービスとも連携させたソリューションとして展開していきたい」と話している。
リアルタイムでメッセージや写真のやり取りが可能

リアルタイムでメッセージや写真のやり取りが可能

【風土改革】ゼロイン/社員の自発的アクションを促し、企業風土を改善

 近年、組織の活性化を目的に企業内イベントに取り組む企業が増えてきているが、社内に実施ノウハウがなく「やり方が分からない」といった担当者の声も聞かれる。

 ゼロインは、企業内イベントを契機に、社員が自発的に動きだし、会社全体に広がって変革や成長へとつながることを目指し、さまざまなコミュニケーション施策をプロデュースしている。

 同社は、まず何のために行うのかといった目的・ゴールの設定から、施策とコンテンツの企画、制作、実施までをトータルでサポート。ただ実施して終わりではない、意味のある施策を企画している。

 表彰式や運動会などのイベントと、映像や社内報などのメディアを組み合わせ、方針やビジョンの浸透・実現ストーリーを提案。ハイパフォーマーの暗黙知を形式知化し共有する、社員同士の学びと称賛の場づくりも手がけ、生産性向上やビジョン体現行動を促すこともできるという。

 また、企業理念やビジョンの策定や浸透のコンサルティングサポートも行っており、「社員一人ひとりのビジョナリーなアクションを促し、エンゲージメントを高めていくことが、社員の定着や生産性向上につながる」と同社事業企画室の三宅欣広室長は話している。
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