2016年12月18日

「ユーザーインターフェイス(UI)」に徹底的にこだわる! 「メルカリ」急成長の秘密に肉薄!

 フリーマーケットアプリ「メルカリ」の運営企業である株式会社メルカリ。日本版ユニコーンとも言われ急成長企業として知られるが、その原動力はどこにあるのか。この記事では、メルカリのビジネスモデルに言及しながらその秘密を読み解いていきたい。

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「メルカリ」って何?

「メルカリ」は、売りたい人と買いたい人をマッチングさせるフリーマーケットアプリ。日本最大のフリマアプリとして知られ、GooglePlay「ベストアプリ2013・ベストショッピングアプリ」「2014年注目のアプリ」と多方面から注目されている。

ユーザーインターフェイスに徹底的にこだわる

ユーザーインターフェイス(UI)とは、一言で表現すれば「操作性」のこと。どんなに優れた機能を持っていても、ユーザーが使いやすいものでなければ受け入れられないという信念のもと、このユーザーインターフェイスに徹底的にこだわっている。

その一例は「スマホカメラから気軽に出品可能」なこと。ヤフーオークションをはじめ、各種オークションサイトの場合、カメラで商品を撮影後、自分で写真をアップする必要があった。しかも、商品の見栄えをよくするため、写真を加工する手間もあった。というのも、写真が売買の際の決め手になっているからだ。つまり、素人がオークションサイトを利用するには高いハードルがあったのだ。

メルカリの場合は、スマホで撮影した商品写真をそのままアップできる機能が付帯されており、パソコン操作が苦手な人でも簡単に出品できるのが特徴。しかもトリミングや回転、明るさ調整などの写真加工も感覚的に行うことができる。こういった「操作性」がこれまでオークションを利用してこなかった主婦や高齢者に受けている。

スマホの急速な普及も「メルカリ」を後押し

スマホは持っているが、家にパソコンはないという人も多いだろう。今や70歳台の高齢者でもスマフォを操作する時代。

スマホ人口が急速に膨れ上がるなか、スマホで買い物をすることが普通になってきている。その背景には、ネット決済の台頭がある。「フィンテック」という言葉も聞かれるようになってきたように、ネット決済額は今や右肩上がりで急増している。

スマホでの買い物に抵抗感がなくなった人が増えたことも「メルカリ」のユーザー増を後押しした要因とも考えられるだろう。

代金を直接やり取りしない決済システム

「メルカリ」の出品商品は、クレジットカードやコンビニ、銀行振り込みで購入可能。代金は、事務局に支払われ、売り手、買い手が直接金銭をやりとりすることはない。

ヤフーオークションをはじめとするオークションサイトの場合、売り手、買い手が直接取引する形態であった。そのため、トラブルが絶えなかった。こうしたトラブル要因にメスを入れ、ユーザーインターフェイスにこだわったことも成功の一因だろう。

エンジニアの育成に長けている

エンジニアの技術力が高いのは当然のこと。実は、エンジニアに最も求められていることは「ビジネス感覚」や「ユーザー第一主義」というポリシー。筆者がさまざまなIT企業の経営者を取材していてよく言われることがこのふたつなのだ。

とはいえ、エンジニアに最初からそれを求めるのも酷なもの。そのため、「メルカリ」は、「ビジネス感覚」や「ユーザー第一主義」を身に付けさせるため、直接ユーザーからの問い合わせに返答するカスタマーサポートでの研修をエンジニアに義務付けている。

「メルカリ」の開発を担うエンジニア陣がユーザーの気持ちを理解することで、ユーザーインターフェイスに配慮したアプリ開発が加速化している。

チームワークとスピード感

ユーザーインターフェイスを第一に考えるエンジニアが増えれば、「メルカリ」の行くべき方向性も明確になるだろう。

方向性が一致したチームは強い。というのも、「ユーザーのため」という大義名分がしっかりしていればディスカッションの中身も濃いモノとなるし、仲間意識も強化されていくからだ。

移り変わりの早い社会のなかにあって、スピード感も当然重要。「メルカリ」の場合、少数精鋭のエンジニアで開発を手がけていることから、問題点や改善点があれば、すぐにディスカッションを行い修正することが可能。こうしたスピード対応がユーザーインターフェイスの向上にも貢献している

世界進出をもくろむ「メルカリ」

今年「メルカリUS版」をローンチ。アップルのAppStoreの無料アプリランキングでは3位にランクインした(2016年7月末現在)。

現状のリリースはアメリカ版だけだが、今後はアジアやヨーロッパなど世界各国で「メルカリ」が浸透する日も来るかもしれない。

そうなれば、「メルカリ」を使って、世界にいるさまざまな人たちと直接取引できるかもしれない(もちろん商習慣や言語の壁はあるが)。実に夢のある話だ。

ユーザーインターフェイスへのこだわりが成長ポイント

どんなに優れたアプリでも使いにくければ普及しなかっただろう。「メルカリ」は、カスタマーサポートからの問い合わせの内容などをプロダクトに的確に反映させ、ユーザーインターフェイスの改善を続けている。

こういったたゆまぬ改善があるからこそ、誰もが感覚的に利用できる、使いやすいアプリが生まれ、だからこそ普及しているのだろう。世界進出が待たれる「メルカリ」。日本発のアプリが世界標準となる日が果たして来るのか、注目したい。
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