2016年10月5日

イクメン企業アワード 丸井グループ、リコーリースがグランプリ受賞

 厚生労働省は、「イクメン企業アワード2016」の受賞企業を決定し、グランプリに丸井グループとリコーリースを選んだ。18日に都内で開催される「イクメン推進シンポジウム」で表彰式を行う。

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「イクメン企業アワード」は、 男性の仕事と育児の両立を積極的に促進し、業務改善を図る企業を表彰するもので、今回はグランプリに丸井グループとリコーリース、特別奨励賞に大成建設と大和証券を選んだ。

 また、部下の仕事と育児の両立を支援する管理職=「イクボス」を表彰する「イクボスアワード」も同時に発表され、グランプリ、特別奨励賞に次の方が選ばれた。

 グランプリ=青森県警察 齊藤重光氏、戸田建設 森田誠氏、P&Gジャパン 鷲田淳一氏
 
 特別奨励賞=セプテーニ 井上祥子氏、日本オーチス・エレベータ 日比野寿実氏、JSOL 三尾幸司氏、コネクシオ 森下大二郎氏
 「イクメン企業アワード」受賞各社の取り組み内容は次の通り。

◆丸井グループ(東京・中野、卸売・小売業、従業員数5962人)

・2012年度に最大7日間有休を取得できる短期育児休職制度を導入。14年度にグループ幹部参集の会議で男性の育児休職取得促進を呼びかけ、育児休職取得率が大幅に上昇(13年度13.8%→15年度65.5%)
・育児を事由として、一時的に勤務エリアを限定した働き方に変更できる「エリア限定制度」を導入。現在、男性は57人利用
・多様な働き方や両立支援について責任者同士が話し合うワークショップを開催
・スケジュール管理システムを導入し、全社員のスケジュールの見える化を実施
・「男性の育児休職取得率」をKPIとして設定し社内外に公表。全社員で目標を共有し、上司からの声かけやロールモデルの紹介など、達成のための取組を実施

◆リコーリース(東京・江東、物品賃貸業、従業員数670人)

・2015年度から育児休業を一部有給化し、「育メン・チャレンジ休暇制度」を導入した結果、育児休業取得率が大幅に上昇(13年度20%→15年度76.5%)
・「育メン・チャレンジ休暇制度」は、子どもの生まれた男性社員が最低5営業日以上の育児休業を取得することを求めるもので、本人・直属上司・担当役員に案内メールで取得を推奨
・「育メン・チャレンジ休暇制度」は単に休暇を取得するだけでなく、すべての育児活動を率先して体験することを通じ、男性の意識改革を図ることを目的とするもので、休暇取得後は、本人と配偶者からのコメント付きの育児参加報告書を提出してもらい効果的に実施
・記念日休暇として、半期に3日年間6日間の年次有給休暇取得日をあらかじめ各自設定。取得日の前月下旬に取得予定者あて「お知らせメール」を自動送信し、取得促進
・所定外労働削減のため、部門別の残業時間の目標値を設定し、①事前申請の徹底、②勤務実績の日々入力の徹底等の取組を実施。2カ月連続で目標値未達成の部門には、未達理由と達成に向けた施策についての改善報告書の提出を求めるなど、取り組みを徹底

◆大成建設(東京・新宿、建設業、従業員数8095人)

・2016年7月から育児休業のうち最長5日間を有給化。これに合わせて、①「男性の育児休業取得率100%」を目指すトップメッセージの発信、②経営層と有識者とのワーク・ライフ・バランス対談、男性の育児休業に関する社内アンケート結果の社内報掲載など、啓発キャンペーンを実施
・勤務時間の繰り上げ・繰り下げは、勤務時間帯のスライドが可能・短時間勤務との併用も可
・育児休業取得者によるパパ座談会、父親セミナー、パパ通信(育児情報提供通信)の実施に加え、2012年度より、結婚前のパートナーも参加可能な「パートナーと考える仕事と生活の両立セミナー」を開催
・長時間労働の削減に向けた社長メッセージを全社員に発信。2015年11月から実施している、①年間100日以上の休日・休暇の確保、②年間を通じた毎月100時間以内の健康管理残業時間の達成、③作業所異動時に取得できる節目休暇取得率100%、の3つの目標を掲げる「トリプル100」運動に、「男性の育児休業取得率100%」という目標を加え、「トリプル100プラス1」運動を2016年7月から実施

◆大和証券(東京・千代田、金融・保険業、従業員数8519人)

・育児休業開始から2週間を有給化。2020年度までに男性育児休業取得率100%を目標に掲げ、取得した男性社員を社内放送で紹介する等、制度利用を促進し、取得率が大幅に上昇(12年度2%→15年度73%)
・2007年から、どんなに遅くても19時までに退社する「19時前退社の励行」を開始し、各人が限られた時間の中で生産性と効率性を向上させるための方法を考えて実践。資格取得や語学の勉強等、自己研鑽に励む社員が増加(CFP資格取得者07年度214人→15年度616人)
・2016年に子どもの入園式等の行事に合わせ休暇を取得できる「キッズセレモニー休暇」を新設。社内周知のほか、対象者と所属長に案内メールを送信し、取得を促進
・役員や部室店長から若手社員までが参加する「ワーク・ライフ・バランス諮問委員会」を四半期ごとに開催。男性の育児休業取得率についても状況を共有し、取得率向上につながる施策を検討
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