2017年10月10日

課長になる前に知っておきたい管理職に求められる役割と能力

企業にもよるが、入社して5~10年もすれば管理職として登用されるケースもある。管理職に昇進する際、研修を設けている企業も多いものの、それは大企業に留まっており、大半の中小企業は研修もなく、突然昇進するのが普通だろう。そんな時に備えて、この記事では、管理職の役割と仕事内容、必要な能力を網羅的に解説する。

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管理職の役割について把握しよう

管理職は、「部下の働きを通じて自己に課せられた課題を遂行する者」と定義されている。つまり、部下の扱い方こそ管理職にとっての重大なテーマになるわけだ。

プレイヤーとして優秀な者が管理職になっても優秀とは限らない。というのも、管理するには一定の技術が必要だからだ。プレイヤーは自分で業務を遂行し、成果を上げることにさえ注力していればよかったが、管理職の場合は、「部下に仕事をもらうこと」に心血を注ぐ必要がある。

管理職の仕事を具体的に理解する

管理職になる前に、管理職がいったいどのような仕事をしているのか、シミュレーションしたうえで把握するとスムースに対応できるかもしれない。

ここでは、営業課長を例に出して説明しよう。営業課長は、企業によって程度の差こそあれ、下記のステップで業務を遂行している。

1. 営業計画の達成に必要な業務を部下に割り振る

このとき重要なことは、業務内容や達成する目的を部下にしっかりと説明することである。「なぜやるのか」を明確に意識させ、仕事の意義理解させることが求められる。

2.部下の人材育成を行う

部下に担当させたい業務と部下が保有している能力にかい離が発生しているケースが一般的だ。この場合、部下の能力を底上げすることにより、対応することが求められている。

このとき、管理職はOJTの担い手になる。部下の能力を伸ばすためには、ルーティンワークだけでなく、本人の能力より少し上の仕事を与え、教育する必要がある。その業務を遂行する過程で、必要なアドバイスを与え、人材育成を行う。

3.部下のモチベーションに配慮する

どんなに優秀な部下でも、モチベーションが低ければ、高い能力を発揮することなどできない。立案した営業計画を達成するためには、部下のモチベーション管理も重要な仕事のひとつだ。

部下の仕事のモチベーションをアップさせるには、一般的に「部下が希望する仕事を与える」「部下の働きぶりを適切に評価する」「仕事に関する悩みがあれば解決する」などが求められる。つまり、管理職は、部下ひとりひとりの状況を見極めながらモチベーション管理を的確に行う必要がある。

部下の「労務管理」も管理職の仕事

「労務管理」とは、労働者の募集、採用、配置、異動、教育訓練、人事考課、賃金などの管理活動のこと。労働者の募集や採用、配置、異動などは人事部の仕事かもしれない。しかし、部下の教育訓練や人事考課、労働時間管理などは管理職の仕事として捉えるべきだろう。

「労務管理」に欠かせない法律をいくつか挙げておこう。これらの法律が規定している内容を学ぶことで、「労務管理」のエッセンスがおぼろげながら理解できるはずだ。

1.労働基準法

労働基準法は、労働者が働くうえでの最低条件を定めた法律だ。労働時間や賃金、休日休暇など働くうえで守るべきエッセンスが詰まっている。

違法な長時間労働を部下に強いても、疲労困憊のなか、高い業績を上げることはきっとできないだろう。

先般、電通で過労自殺があった。労働基準法違反が随所に見られ、違法な「労務管理」が行われていることに気づいた人も多いだろう。

管理職に労働基準法に対する正しい知識があれば、このような悲劇が避けられたと思うほどピュアではないが、良識ある管理職なら労働基準法について学び、ときには部下を守ることも求められよう。

2.労働安全衛生法

労働安全衛生法は、労働者の健康管理について規定した法律。無期雇用者など1年に1回定期健康診断を受けているが、これは労働安全衛生法に定められたものだ。

この法律は、近年話題になっているメンタルヘルス対策にも言及している。ストレスチェックが義務化された昨今、職場を挙げたメンタルケアは急務のものとなっている。

メンタルケアは、部下ひとりだけでできるものではない。管理職の理解と協力があってはじめて可能となるものだ。労働安全衛生法は、難解な法律ではあるが、健康管理やメンタルケアに関する規定を学ぶだけでもかなり役立つ。

管理職の残業代はどうなる?

「管理職」は、残業代が支給されないと思い込んでいる人もいる。実は、法律上、「管理職」という言葉はなく、管理職であるか否かは、実態を見て判断される。

つまり、たとえ部長という肩書であったとしても、部長としての権限を持っていない(例:ワンマン社長が現場を取り仕切っており、部長はその指示に従うだけ)場合は、「管理職」として扱われない。たとえ部長であっても、一般職と同じような扱いとなり、残業代は支給されると覚えておこう。

部下を動かして業務を遂行するのが管理職

管理職は、部下が気持ちよく働けるようさまざまな施策を講じる必要がある。部下の成長が自分の成長に、そして企業の業績アップに直結している。

管理する手法は一様ではない。放任主義がいいのか、ひとつひとつ手取り足取り教えたほうがいいのか、部下の状態によって管理職はその態度を変えるべきだろう。

管理職の仕事と求めらる能力を理解し、キャリアプランの構築にぜひ生かしてほしい。
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