2020年1月6日

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(各社回答2)

2020年の人材需要と採用の課題を、企業の人材採用を支援する主要コンサルティング会社の事業責任者を対象にアンケート調査で聞いた。【回答社名:イーストウエストコンサルティング、ジェイ エイ シー リクルートメント、キャリアエピソード、島本パートナーズ、A・ヒューマン】

回答(1)企業の人材需要

回答(2)企業の人材採用の課題

回答(3)人材業界の展望、自社の事業・サービス展開

 (26134)

イーストウエストコンサルティング 室松信子 代表取締役

(1)多国間のシビアな競争に勝って企業をさらに躍進へと導けるような国際的に通用するスキル、経験、人間性および語学力をもつ人材のニーズが継続的に高いと予想する。特にQOL改善やシルバー世代のさらなる増加を見込んで製薬・介護・食品業界などで彼らのニーズに応える製品開発ポジションでの採用が活発になると思われる。

(2)上記のような人材を他社に先駆けて国際的なマーケットから探し出し採用するためには、人材のスキルやポテンシャルなどを効率的に見極めることが採用における一番の課題だろう。企業成長を支える特に若い世代(〜40代)の優秀な人材の確保がこれまでと同様、またそれ以上に重要課題となると思う。

(3)効率性とコスト削減を目指す日本およびグローバル企業をサポートするために、さらにスキルの高い人材紹介コンサルタントを確保することが必要不可欠だ。
 (26073)

ジェイ エイ シー リクルートメント 松園健 代表取締役社長

(1)アジアでは米中貿易摩擦の影響を受け多くの国で景気が低迷気味であるが、ベトナムでは中国を中心とする他国からの投資が加速していることに伴い人材の需要は増加が続くことが予想される。しかし香港での抗議活動、日韓関係の悪化などの影響により、一部の国々では人材需要の低迷が続くことも予想され、アジアの人材需要の見通しは若干不透明。米大統領選も控え、結果によっては雇用情勢が変化することも考えられる。
 国内では人手不足の影響は続き、人材ニーズの高まりは継続する。東京五輪開催に伴い来日外国人が過去最高を記録すると考えられる中、関連事業やインバウンド需要、語学力を有するニーズは相当高まる。さらに、昨年の消費増税に伴うキャッシュレス促進に必要なテクノロジー(フィンテック)関連や、5G(次世代通信規格)関連の需要が見込まれる電子部品業界の人材需要は高い状態で維持するだろう。

(2)働き方の多様化が進む中、企業はこれまで以上に業務の効率化や生産性を考慮した採用が課題となる。AIやテクノロジーの台頭により作業的な業務はコンピューターに代替される流れはさらに加速することが予想されることから、より高度な能力やイノベーションを起こせる人材の採用や育成も重要となるだろう。
 今後は、少子高齢化による人口減が国内の経済や内需に影響を及ぼすことが明らかで、日系企業はさらに海外に活路を見出す必要性があることから、厳しい国際競争に勝つためにも高度外国人の採用も含め、採用、給与体系などもグローバル水準に合わせることも急務となるだろう。

(3)人手不足が社会問題となりつつある中、規制緩和もあり金融業が人材紹介業に参入するなど、紹介業を行う企業が増加傾向にある。人材サービス会社は企業が抱える人材不足の課題を解決することが業界全体の社会的責任または使命という考えを持ち、取り組む必要があると考える。
 2019年は米中貿易摩擦の影響もあり、製造業を中心に採用の見合わせや採用基準を上げる企業が散見されたが、その影響が長く続くことはないと考えられる。当社では景気変動に関わらず、質の高いサービスの提供を徹底し、顧客への充足率を上げ更なる満足度の向上を目指す。
 (26076)

キャリアエピソード 備海宏則 代表取締役

(1)ようやく日本でも「働き方改革」が浸透してこれまでに無かった柔軟な雇用形態が出てくると思う。同じ業種の中でも勝ち負けが出て、それが人材需要・採用に関わってくる。職種・ポジションでは「IT・テクノロジー」を活かしたもの、特にデジタル、データサイエンティストなどがキーになってくる。地域としては在宅勤務など増えてきたとは言え、まだまだ東京勤務が多い。

(2)引き続き「欲しい人材をタイムリーに採用できるようにすること」があると思う。「採用手法」ではダイレクト・ソーシング、エージェント経由、メディア経由、社員紹介など複数あるものの、最も効果的に個々のポジションに適しているか判断して動くことが重要になってきている。また、時代の変化と共にこれまで無かったようなポジションが各業界、企業に必要となってきており、そのような未知のポジションに対しての採用活動も課題になっていると思う。

(3)引き続き展望は明るい。ただ人材業界のサービスも多岐に渡ってきており、企業がどのサービスを選んで結果を出していくか、徐々に明暗が出てくると思う。特に「AI」が本格的に動き出し「人」が行うこと以上の仕事をこなせるか、期待したい。当社としては引き続き企業側とのリレーションを密にしてなかなか市場に出てこないポジション案件を候補者側に届けたいと考えている。
 (26079)

島本パートナーズ 秦一成 代表取締役社長

(1)昨年は米中経済戦争が製造業の業績を悪化させ、その影響が中途人材需要に及んだ。その改善には時間を要しそうだが、今年も業種や企業規模を問わず、「多角化(事業領域拡大と海外展開)」「デジタル化(AI/IoTやEC等の導入・活用)」の両分野では外部人材ニーズはひっ迫が継続する。その結果、スカウト対象がマネジメントクラス人財(部長〜CXO)中心からリーダークラス人財(若手〜中堅)へと一層拡大していく。

(2)「多角化」「デジタル化」人財の採用は年々難易度が高まっており、マネジメントクラス人財はもとより従来は公募で採用可能であったリーダークラス人財でも、採用計画未達に陥るケースが増加傾向にある。加えて候補者の内定後、「円満退社の実現」や「入社後の定着率アップ」に悩む企業も少なくない。

(3)企業は上記の課題解決のために、エージェントに対して採用プロセスの上流から下流まで一貫したサポートの強化を一層要求するだろう。当社の強みは、「人財要件定義支援」から「人財発掘」、入社前後の「フォローアップ」に至るまで、精鋭チームが真摯にかつ適確に対応できる体制にある。社員一同、顧客企業の戦略的部門強化・発展の一翼を担う責任感、そして転職者の人生の一端を背負う覚悟を常に持ち、日々の業務に邁進してゆく。
 (26082)

A・ヒューマン 髙橋英樹 代表取締役社長

(1)国内市場が縮小していく中で企業が求める人材需要を「グローバル競争型」「国内市場争奪型」「新規ビジネス創発型」に類型してとらえている。

(2)安価な労働力を求めて工場が国・地域を移動したように、人材側も条件の良い企業に移動する傾向は強まるものと考えられる。例えば、サイバーセキュリティー、AI、データアナリティクスなどのテクノロジー領域では、大学や大学院で能力を身に付けた優秀な学生をその価値をフェアに評価するベンチャー企業、グローバル企業が高待遇で獲得していくことになるだろう。これまでの「報酬」「評価」の仕組みを変えなければならない時期に入った感がある。

(3)このような流れの中で人材紹介会社は、紹介する人材や提案する人材の価値を評価する能力と企業側が求める経営課題の理解力が益々重要になってくるだろう。当社では、業界別に業界出身のコンサルタントを擁して、担当コンサルタントが企業側および人材側の双方に対応していく。

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(1)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(1)
回答社名:アクシアム、KMF PARTNERS、ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス、アンテロープキャリアコンサルティング、フジキャリアデザイン

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(3)

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回答社名:Apex、キーンバウム ジャパン、エリメントHRC、ロバート・ウォルターズ・ジャパン、パーソルキャリア

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(4)

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回答社名:リクルートキャリア、ヒューマンリソシア、みらいワークス、コンコードエグゼクティブグループ、レックスアドバイザーズ

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(5)

主要人材コンサルティング会社アンケート「2020年 企業の人材需要と採用の課題」(5)
回答社名:リネアコンサルティング、エンワールド・ジャパン、パソナ、経営者JP、MS-Japan、プライマリー・アシスト
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