2018年6月7日

給与は上がらず負担増、中間管理職の苦悩

「いつかは課長や部長になりたい」と、誰もが一度は考えたことがあるのではないか。しかし最近出世を望んでいない人が増えてきているという。この背景にある中間管理職の現状と管理職が抱えている苦悩とは。(文・溝上憲文編集委員)

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管理職の賃金は頭打ち?

 今年の春闘の賃上げ率は2.13%(4月6日、連合集計)。昨年同時期よりも若干のプラスとはいえ、2014年以降は2%程度のアップに留まっている。一方で新卒初任給は毎年増加傾向にあるが、管理職層の給与が伸び悩んでいる。

 厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(2017年)から試算した課長級の年収(大学・大学院卒、男性)は2005年以降で見ると、07年の約932万円をピークに減少を続け、10年には約867万円までダウン。その後に増加に転じて16年にはようやく約936万円に戻すが、17年は932万円にとどまっている。

 管理職を含む中高年世代の賃金の減少はいくつかのシンクタンクも指摘している。みずほ総合研究所は賃金の抑制は世代間の人件費シフトだとし、こう述べている。

「改正高年齢者雇用安定法が施行され、65歳までの雇用延長が義務化されたことも影響しているとみられる。すなわち、高齢者の人件費を捻出するため、企業がほかの世代の労働者の賃金ベースを緩やかにすることにより、全体の人件費増大を抑制したと考えられる」(みずほリポート賃金はなぜ上がらないのか)(2017年10月6日)

給与は上がらないのに、負担増

 給与が上がらない上に管理職の業務量は年々増大している。産業能率大学の「第4回上場企業の課長に関する実態調査」(2018年1月)によると、3年前と比べて「業務量が増加している」と答えた人は58.9%と、2010年の調査以降徐々に増えている。また、程度の差はあれ、職場のマネジメント以外にプレーヤーとしての役割が求められるプレイングマネジャーである人が99.2%もいる。しかもプレーヤーとしての業務がマネジメント業務に何らかの支障があると答えた人が約6割に上っている。

 その他では「メンタル不調を訴える社員が増加している」「労働時間・場所に制約がある社員が増加している」「外国人社員が増加している」など7項目で過去の調査以来、最高になっている。

 さらに課長の悩みでは「部下がなかなか育たない」が39.9%と最も多く、次いで「部下の人事評価が難しい」(31.9%)、「職場の業務量が多すぎる」(26.6%)となっている(複数回答)。その他では「求められる成果が出せていない」「部下が指示どおりに動かない」「目標のハードルが高すぎる」と答えた人が過去最高になっている。
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