2019年1月22日

残業規制、年休義務化、同一労働同一賃金 施行直前チェックリスト

昨年の働き方改革関連法の成立に伴って、4月から順次、労働基準法をはじめとする関連法令の改正が施行される。施行が直前に迫る中、確認すべき人事実務のポイントを社会保険労務士の細川芙美氏に解説してもらった。

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細川芙美 社会保険労務士(汐留社会保険労務士法人)

36協定新様式の3つの変更点

 1つ目は、時間外労働時間の管理、新様式での36協定の届出です。まず、時間外労働について罰則付きの上限が設けられます。原則の時間外労働の上限は、月45時間、年間360時間で、現在と変わりはありません。

 ただし、特別条項付きの36協定を提出することで認められていた、やむを得ない場合の例外措置での時間外労働に上限が設定されます。以下、4つの歯止めがかけられます。

(1)年間の時間外労働は年720時間(月平均60時間)以内

(2)休日労働を含んで、2カ月ないし6カ月平均は80時間以内

(3)休日労働を含んで、単月は100時間未満

(4)月45時間を超える時間外労働は、年6回まで

 これらの上限は、中小企業については施行が2020年4月となり、施行まで1年の猶予がありますが、1年後を見据え、今年からしっかりと管理をするようにしましょう。

 ちなみに、中小企業であるかどうかは、業種ごとに資本金の額または常時使用する労働者の数で判断されます(小売業は5000万円以下または50人以下、サービス業は5000万円以下または100人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、その他の業種は3億円以下または300人以下)。

 また、2019年4月以降に提出する、36協定の様式が変更となります。新様式では以下の3点が変更となります。


(1)36協定で定める限度時間の大小や、特別条項の付記に関わらず、新しい労働時間の上限規制に対応した時間外労働及び休日労働を合算した時間が「1カ月について100時間未満」「2~6カ月までを平均して80時間以下」についてのチェックボックスが増えている

(2)特別条項を付ける場合には、36協定は2枚作成が必要

(3)特別条項を付ける場合には、「限度時間を超えて労働させる場合の手続」や、「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康福祉確保措置」等を記入する欄が追加され、細かい取り決めが必要となる

 (1)については、新しく設けられた時間外労働の上限の確認となっています。(3)については、細かい取り決めが必要となるため、早めの対応が必要です。

 特に「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」は、対象社員への医師による面接指導や、年次有給休暇取得の促進、特別休暇の付与、勤務間インターバルの導入、職場での時短対策会議の開催、といった措置が想定されています。現在、36協定に特別条項を付けている会社は多いと思いますので、今後の作成には特に注意が必要です。
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