2016年1月10日

リクルートキャリア/リクルートジョブズ 柳川昌紀社長 事業を通じて社会に貢献し選ばれ続ける存在へ

雇用問題や働き方に対する人々の関心が高まる中で、人材ビジネスが果たす役割はますます重要になっている。人材業界のトップ企業リクルートグループでリクルートキャリアとリクルートジョブズの社長を務める柳川昌紀氏に、今後の経営方針や事業展開などを聞いた。

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リクルートキャリア/リクルートジョブズ 柳川 昌紀 代表取締役社長

1991年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。住宅DC住宅情報ディビジョンオフィサー、住宅カンパニー住宅情報ディビジョン長、分譲マンションカンパニー長を経て、11年に同社執行役員に就任。12年4月リクルートHRマーケティング代表取締役社長。同年10月リクルートホールディングス執行役員(現任)、リクルートジョブズ代表取締役社長(現任)。15年4月リクルートキャリア代表取締役社長(現任)

リクルートキャリアの社長に就任し、さらに広い領域の人材事業を管掌することになられましたね。

 昨年4月にリクルートキャリアの社長に就任しました。リクルートジョブズの社長を2012年4月から務めており、正社員からアルバイト・パートの採用まで人材派遣以外の人材事業を担当しています。就任当初に双方の従業員には50対50の両社別人格で精いっぱいやっていくことを伝えました。
 私は1991年4月にリクルート(現リクルートホールディングス)へ入社し、人材開発部で新卒採用を担当した後、住宅情報事業部(現リクルート住まいカンパニー)に異動しました。その後、リクルートHRマーケティングの社長に就くまで住宅領域一筋できました。
 人材領域に携わるようになったのはここ3年半です。まだまだ自分自身は人材領域において学ぶべきことが多いと感じています。

人材領域に携わってみて改めて感じていることは?

 リクルートは2012年10月のホールディングス体制への移行に伴い、主要事業部門の分社化を行いました。
 正社員募集領域のHRカンパニーは人材紹介のリクルートエージェントと統合してリクルートキャリアに、アルバイト・パートを中心に地域に根差した求人募集領域のHRエリアカンパニーはリクルートHRマーケティングと統合してリクルートジョブズになりました。
 その際、その2社の社長と人材派遣のリクルートスタッフィング、スタッフサービスホールディングスの社長が集まり、人材事業を通して世の中に何を提供していくのかを真剣に議論しました。
 私も当事者の一員として参加していましたが、自分たちで言うのもおこがましいですが、リクルートは人材サービスに対して非常に真面目に向き合っていると感じました。そのときの議論や考え方が今日の自分のコアになっています。
 実際の社内の取り組みの一例ですが、リクルートジョブズの会議室には「Customer's Chair」という椅子が置いてあります。
 これは会議で議論が煮詰まったり、何か困ったり悩んだりしたときは、「利用者の意見を聞く」という原点に立ち返ろうということを表しています。
 元々は求人検索サービス「Indeed」の米オースティンのオフィスを視察した際に、「Job Seeker's Chair」が置いてあるのを見て、良いアイデアだと思って取り入れました。
 リクルートキャリアでは「働く喜び」をビジョンに据えています。一人でも多くの人が働く喜びをふくらませ、働く喜びの輪が新たな活力を生み出していく社会を作りたいということを全従業員で実現することを決めました。
 リクルートは「ロマン」と「そろばん」の「ロマン」を固めないと動くことができない会社です。ビジネスの現場では必ず色々なシーンにおいて利害がトレードオフになったりするわけですが、その中で、私たちはこれを実現するためにいるんだとか、そのために従業員がどんな気持ちで働いているんだという話を本当に真面目にしています。
 そして、このようなビジョンを語る以上は社長の私も「働く喜びはあるのか」と自分自身に毎週問うています。非常に難しいことですが、ビジョンの実現に向けて頑張っています。

ITの力も活用し広告効果を高め続けることで業界をリード

リクルートの国内人材募集領域のビジネスモデル

リクルートの国内人材募集領域のビジネスモデル

(出所)リクルートホールディングス アニュアルレポート「Business Overview 2015」

日本の雇用問題に対して、業界のトップ企業としてどのような役割が果たせると考えていますか。

 事業をする上で取り組まなければならないことは多々あると感じていますが、本当に大切にしていることは「事業を通じてきちんと世の中に貢献する」ということです。人材サービスを生業としている責務を自分たちがどのように果たせるのかということを常に考えてチャレンジしています。
 また、14年10月のリクルートホールディングスの株式上場を受けて、事業会社としても生産性を保ったまま、どこまでできるかということも課題になっています。これまでの価値観、技術、やり方を超えて雇用構造にイノベーションを起こすことは大切ですが、一方で簡単にイノベーションを起こしてはいけないのが雇用の分野なのです。
 そして、新しい事業やサービスを生み出すときには、リクルートのこれまでの歴史も踏まえて考えなければいけないと思っています。
 実際にリクルートキャリアでは「リクナビ」「リクナビNEXT」など、リクルートジョブズでは「タウンワーク」「とらばーゆ」など、多くのメディアを持っていて、多種多様な多くの求人者、求職者の方々に利用いただいています。こうした状況の中で私たちが何かを変えることで色々な利便性を損ねてしまう可能性もあるのです。
 例えば「タウンワーク」は紙媒体としての発行を続けていますが、紙媒体でないとアルバイトやパートを探すことができない方々がまだたくさんいらっしゃいます。
 この仕組みを変えることで売り上げは伸びるかもしれませんが、逆に困る方々がいらっしゃるんだという議論をしています。世の中が変わっていく中で変えないという判断は、ある意味勇気をもったジャッジになっています。

今後の事業展開を教えてください。

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 私の商売人としての根本は近江商人の「三方よし」です。自分と相手だけではなく、その商売によって社会に対しても良い影響をもたらすべきだと考えています。
 利用者の方のためになっているかをとことん突き詰めていきたいと思っています。それはリクルートキャリアもリクルートジョブズも同じで、私の役割は進むべき方向に軸足を向けていくことです。しっかりと自分たちがやらねばならないことをやることが人材業界のためにもなるし、日本のためになると思っています。
 経営方針として従業員に言っていることは「世の中に選んでいただくことが重要」だということです。私たちが決めるのではなく、私たちが提供するサービスは選んでいただく立場であると伝えています。
 結果として不便であったり、不満であったり、不安であったりをもし感じていらっしゃるのであれば現実を直視してサービスを修正し、解消していきます。そのためには自分たちがどうあるべきかというスタンスがとても大切だと考えています。

グループ全体で事業とITや人工知能などの融合が加速していますが、今後の人材事業ではどのような展開を考えていますか。

 お客様が求めており、テクノロジーによって便利になるのであれば、そのニーズに応えていくつもりです。ただ、それは手段にすぎません。
 テクノロジーが解消するスピードであったり、コストであったり、それによって誰が良い思いをするのかをきちんと考えられないのであれば新しいテクノロジーに安易に飛びつくことはできないと思っています。
 人材のマッチング率は重要ですが、そのためのアルゴリズムをどう作るのかというのは簡単ではないと思っています。
 やはり人の可能性にかけるという根本があって、想いのある経営者が親身になって求職者を採用したり、絶対にこの会社で働きたいと求職者が就職したりする時に、私たちは間に立って「ありがとう」と言ってもらえるようなサービスを提供し続け、結果として選び続けていただくことを大事にしていきたいです。

 業界全体で切磋琢磨して人材サービス産業が良くしていけたらよいと考えています。

株式会社リクルートキャリア

代表者:代表取締役社長 柳川昌紀
設立:1977年
資本金:6億4335万円
従業員数:3039人(2015年4月1日時点)
住所:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー
事業内容:社員募集領域における人材採用広告事業、斡旋事業、選考支援事業
URL:http://www.recruitcareer.co.jp/

株式会社リクルートジョブズ

代表者:代表取締役社長 柳川昌紀
設立:1983年
資本金:1億5000万円
従業員数:1484人(2015年4月1日現在)
住所:東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル(リクルートGINZA7ビル)
事業内容:アルバイト、パート、派遣から正社員まで、多種多様な雇用領域における人材採用に関する総合サービス
URL:http://www.recruitjobs.co.jp/

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リクルートキャリアは、国内最大手の人材サービス企業で、RPOサービスは採用業務の効率化にととまらず、採用の「量」「質」をともに充足させることを最大の提供価値としている。昨今の採用難易度が上昇する中で、事業計画達成に向けた人材確保は企業の急務であり、同社のRPOサービスはノウハウと実力で結果を出し続け、リピート率を高めている。クライアントの期待により一層応えていくため、専門性の高い人材や難しいポジションの採用力強化に注力している。(日本人材ニュース編集部の評価)
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