2018年1月10日

労働基準法改正による時間外労働の上限規制

平成29年9月15日、労働政策審議会は同月8日に厚生労働大臣から諮問された、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について、概ね妥当と認める旨の答申をしました。当該法律案要綱は、時間外労働の上限規制のほか、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善等、企業の経営に大きな影響を与える改正が含まれています。本稿では、改正点のうち、時間外労働の上限規制について説明します 。

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 平成29年9月15日、労働政策審議会は、同月8日に厚生労働大臣から諮問された、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」について、概ね妥当と認める旨の答申をしました。

 当該法律案要綱は、①労働基準法、②じん肺法、③雇用対策法、④労働安全衛生法、⑤労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律、⑥労働時間等の設定の改善に関する特別措置法、⑦短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、⑧労働契約法の8つの法案の改正からなる一括法案で、時間外労働の上限規制のほか、同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善等、企業の経営に大きな影響を与える改正が含まれています。

 上記法律案要綱に基づく法律案は、当初、平成29年9月28日に招集された臨時国会に提出される予定でしたが、国会の冒頭で衆議院が解散されたため、平成30年の通常国会に先送りされました。

 したがって、まだ国会に提出されていない法律案ですが(本稿執筆現在)、上記法律案要綱では、施行期日は平成31年4月1日とされており(一部例外あり)、仮に平成30年の通常国会で成立し、施行期日が変更されなかった場合には、企業は早急に対応を求められることになりますので、今のうちから、法改正に向けた準備を進めておく方が良いでしょう。

 労働基準法については、上記法律案要綱において、主に、以下の改正が定められています。

 (a)時間外労働の上限規制
 (b)中小事業主に対する月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(5割以上)の適用(適用を猶予していた規定の廃止)
 (c)年次有給休暇を10日以上付与される労働者に対して、うち年5日の年次有給休暇について、使用者が時季指定する義務
 (d)フレックスタイム制の清算期間の上限を3カ月に延長
 (e)企画業務型裁量労働制の対象業務の追加
 (f)特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

 本稿では、上記改正点のうち、時間外労働の上限規制について説明します 。
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