2020年12月25日

2021年は景気悪化の見込みが3割超、回復見込みは1割にとどまる

 2021年の景気見通しについて、企業の3割超が景気悪化を見込んでおり、回復を見込んでいる企業は1割超にとどまっていることが、帝国データバンクの「2021年の景気見通しに対する企業の意識調査」で明らかとなった。

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 2021年の景気見通しについて、「悪化」局面を見込む企業は32.4%と2020年見通しより減少したものの、3割を上回り依然として高水準となっている。一方、「回復」を見込む企業は2020年の景気見通し(2019年11月実施)から7.0ポイント増の13.8%となった。

 「踊り場」局面は28.7%と2020年見通し(32.8%)より減少した。

【2021年の景気見通し】
回復局面  13.8%(前年比7.0ポイント増)
踊り場局面 28.7%(同4.1ポイント減)
悪化局面  32.4%(同4.8ポイント減)
分からない 25.2%(同2.0ポイント増)

 「回復」局面と見込む企業を業界別にみると、「製造」(17.3%)や「運輸・倉庫」(16.6%)が高い。一方、「悪化」局面では「建設」(44.8%)と「不動産」(40.4%)の高水準が目立つ。

【業界別 2021年の景気を「回復」「悪化」と見込む割合】
農・林・水産 回復5.6%、悪化37.5%
金融  回復14.6%、悪化30.0%
建設  回復9.3%、悪化44.8%
不動産 回復10.8%、悪化40.4%
製造  回復17.3%、悪化24.6%
卸売  回復12.6%、悪化31.3%
小売  回復11.1%、悪化32.5%
運輸・倉庫 回復16.6%、悪化30.5%
サービス 回復15.2%、悪化33.7%
 2020年の景気動向については、「回復」局面であったと考える企業は3.4%にとどまり、2019年の景気動向(前回調査、2019年11月実施)から0.3ポイント減少し、3年連続で1ケタ台となった。

 「踊り場」局面とした企業は24.8%で、前年の半数近くまで減少した。また、「悪化」局面とした企業は同24.8ポイント増の56.0%で、2012年以来8年ぶりの5割台へと上昇した。「分からない」は15.8%だった。

【2020年の景気動向】
回復局面  3.4%(前年比0.3ポイント減)
踊り場局面 24.8%(同22.3ポイント減)
悪化局面  56.0%(同24.8ポイント増)
分からない 15.8%(同2.2ポイント減)

 2021年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料は、新型コロナなどの「感染症による影響の拡大」が57.9%で突出して高かった(複数回答3つまで)。

 次いで、「雇用(悪化)」(21.0%)や「所得(減少)」(19.2%)のほか「米国経済」(19.0%)やインバウンド需要を大きく左右する「訪日観光客数の減少」(13.3%)、「中国経済」(12.1%)といった、海外経済と関連する項目が続いた。

 また、2019年まで3年連続で5割近くの企業が懸念材料にあげていた「人手不足」は、11.1%と大幅に減少した。

 今後、景気回復のために必要な政策は「感染症の収束」が58.0%でトップとなり、突出して高かった(複数回答)。次いで、「中小企業向け支援策の拡充」(31.6%)が3割超となり、「個人消費の拡大策」(25.0%)、「雇用対策」(22.5%)、「法人向け減税」(21.1%)、「公共事業費の増額」(20.3%)が2割台で続いた。

 調査は、2020年11月16日~30日、全国2万3686社を対象に実施し、1万1363社の有効回答を得た。(回答率48.0%)
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