2019年12月10日

2019年の希望・早期退職募集は36社、2014年以降で最多を更新

 東京商工リサーチの調査によると、2019年1月から11月に希望・早期退職者を募集した上場企業は36社となり、2014年以降の年間実績を上回って最多を更新したことが分かった。

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 2019年1月から11月に希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業数は36社だった。募集人数は合計1万1351人(判明分)に達し、人数では2013年(1~12月、1万782人)を上回った。

 過去20年間で社数、人数ともに最少を記録した2018年(1~12月)と比較すると、社数が12社から3倍増、人数も4126人から約3倍増と大幅に増えた。

 早期希望退職者の募集人数は、最多は、富士通の2850人。次いで、非開示だが東京商工リサーチの取材で判明したルネサスエレクトロニクスの約1500人、子会社の売却、事業など選択・集中を進める東芝が1410人、経営再建中のジャパンディスプレイの1200人と続く。

 2019年に実施された1000人以上の募集・応募は4社で、2018年(1~12月、1社)より3社多かった。

 業種別では、業績不振が目立つ電気機器が12社(延べ)でトップだった。子会社で年に2回募集を実施した東芝をはじめ、市況低迷など業況の変化を反映している。次いで、薬価改定や国外メーカーのライセンス販売終了などを控えた製薬が4社で続く。卸売、機械、食料品、繊維製品は各3社だった。

 今年の早期希望退職者の募集動向について東京商工リサーチでは、「アステラス製薬や中外製薬、カシオ計算機、キリンHD (キリンビール含)など、業績が堅調な業界大手でも将来の市場環境を見据えた“先行型”の実施がみられた」と指摘する。

 また、「その一方、36社のうち、16社が募集発表時の直近決算(通期)で最終赤字を計上。減収減益となった企業8社も含めると、合計24社(66.6%)が業績不振だった」とする。

 業界別にみると「製造業では市況悪化、海外を含む同業との競合などによる業績不振で、国内製造拠点の撤退・縮小が相次いだ。また、婦人靴販売や繊維小売など、既存の主力商品の不振などで赤字を計上した企業を中心に、事業や人員の見直しに着手するケースもみられた」と分析した。

 2020年以降の実施では、すでに7社が判明しており、計1500人の早期・希望退職の募集を予定している。実施を発表した7社は、直近決算で最終赤字を計上した1社を除き、足元の業績が堅調な業界大手が占めている。

 今後の動向について東京商工リサーチでは「大手企業を中心に定年制度の見直しが動き出している。また、働き方改革の実施等に伴い雇用の流動化も進んでいる。こうした動きを背景に、多様なテーマを用いた募集は今後、ますます増えていく」とみている。

 同調査は、11月29日公表分までの資料に基づき、2019年1月以降に希望・早期退職者募集の実施を情報開示、具体的な内容を確認できた上場企業を抽出している。希望・早期退職者の募集予定を発表したが、まだ実施に至っていない企業は除外した。
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