2014年11月10日

社内外の人材を活用できるオープンな人事システムが必要 ヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス 渡部昭彦社長

 労働力人口の減少やグローバル化の進展などに企業人事はどう対応していく必要があるのだろうか。大手銀行、セブン-イレブン、楽天で人事部長などを歴任し、企業人事の実態にも詳しいヒューマン・アソシエイツ・ホールディングス社長の渡部昭彦氏に、企業人事の課題や人材市場の動向などについて聞いた。

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渡部昭彦 代表取締役社長

【プロフィル】
1956年生まれ。79年東京大学経済学部卒業後、旧日本長期信用銀行入行。支店業務、中央官庁出向、国際金融部、本店営業部を経て、94年から2000年まで人事部に勤務。その後、旧日本興業銀行を経て、セブン-イレブン・ジャパン。人事セクションの部長として、毎年1000人近い採用と5000人の社員の人事制度の構築に従事。その後、楽天グループへ。財務担当の執行役員の他、楽天証券において人事を含む管理部門の担当役員を歴任。07年ヒューマン・アソシエイツ社長に就任し、13年から現職。14年日本人材紹介事業協会会長に就任。著書に「銀行員の転職力」(日本実業出版社)、「日本の人事は社風で決まる」(ダイヤモンド社)がある。

企業人事の課題をどのように捉えていますか。

 日本全体に閉塞感があり、また変化も激しいため、企業活動は一層の努力を要するという共通理解はあると思います。企業にとって必要なのは変革です。
 ところが、だいぶ変わってきているとはいえ、日本企業には新卒一括採用や終身雇用、年功序列という人事面での古い慣習がまだまだ色濃く残っています。それを一掃すべきとは思いませんが、問題は変革とどう折り合いをつけていくのかということです。
 企業を変えていくには「イノベーション人材」が必要です。そうした人材は外資系のように外から連れてくるという考え方もありますが、日本企業の人事慣行では、社内にいるはずの人材にどうスポットを当てるのかが先決かもしれません。
 内外の人材をどのようなバランスで活用するかは業種や企業の歴史によっても違うでしょう。大切なのは内外の人材を活用できるオープンな人事システムや環境をつくり、明確な尺度で発揮された能力により人材を評価するということです。

企業の人事評価の実態にどのような問題を感じていますか。

 日本企業にはまだ真の成果主義が根付いていないと思います。それは労働法制にも大きな問題があります。期待される成果を上げていない人に対して、すぐに処遇を下げたり解雇できるわけではありませんから、管理職には部下に厳しい評価を付けるインセンティブが生じないのです。
 もう一つは、成果主義が結果主義と捉えられて、結果さえよければ手段は問わないといった曲解が生じたことです。それが極端な行動やチームワークを阻害するといった面に振れてしまったわけです。成果の定義は会社ごとに違っているのは当然ですが、それをどれだけ社員に明示できるかが重要です。
 例えば、成果が現れるまで時間がかかる研究職に対しては、成果を生むためのプロセスを明示し、それを実行していれば評価する。
 また、グループで手がける業務は、個人の目標よりグループ目標を評価する、といったようにです。この場合、表に現れる数字だけでなく、その人がそもそも持っている能力や意識そのものを直属の上司がきちんと評価するということも大切です。

人材をどのように活用するかが今まで以上に問われると思います。

 前述のとおり、今の労働法制では簡単に人を減らせず処遇も下げられないので経営者にとっては厳しいことです。どの企業も外部から優秀な人材を採用したいと考えていると思いますが、その前に内部の人材を活用しなければならないという考えが強いですね。
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日本有数のエグゼクティブサーチとして、社長・CEOを始めとする企業トップやCOO、CFO等の経営者層、高度な専門性を持つ人材まで、幅広くエグゼクティブ人材の紹介を行う。同社は単に人材を紹介するだけではなく、能力開発から人事制度に至るまで人材にかかわる様々なソリューションを提供し、人材価値の最大化を図ることで企業活力を向上させる。金融機関と流通で人事担当と担当役員を務め、このほど同社社長に就任した渡部昭彦氏に今後の活動方針を聞いた。
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