2016年11月16日

本社を地方へ移す企業は増えず、大阪から東京圏への転入が最多

 政府は“地方創生”を目指しているものの、本社を地方へ移す企業が増えていないことが、帝国データバンクの「1都3県・本社移転企業調査」で分かった。

 (10790)

 2016年の1月~9月は、1都3県への転入が225件、転出が164件となり、転入企業が転出企業を上回る状況が続き6年連続で転入超過になると見込まれている。

 転出企業は前年の同時期と比較して18件(9.9%)減少しており、年間でもピークだった2001年の概ね3分の2の水準にとどまるとみられている。

 1都3県への転入企業は、2003年からほぼ一貫して転出企業を上回っていた(2009年・2010年を除く)。

 とりわけ、2015年は転入企業335件、転出企業231件となり、1991年以降で最大となる104件の転入超過となっていた。

 帝国データバンクでは、2016年も転入超過が継続するとみられる背景として「優秀な人材を確保するために労働力人口が集中する立地を選択する企業の経営戦略があると考えられ、近年課題となっている“人材不足”問題が企業移転トレンドに影響を及ぼしている」と分析している。

 2016年9月までに1都3県へ移転した企業の転入元を道府県別にみると、大阪府が53件(構成比23.6%)で突出して多く、次いで愛知県(20件、同8.9%)、北海道(17 件、同7.6%)などが続いた。

【1都3県へ移転した企業の転入元トップ10】
1位 大阪府 23.6%
2位 愛知県 8.9%
3位 北海道 7.6%
4位 静岡県 7.1%
5位 福岡県 5.3%
6位 茨城県 4.9%
7位 群馬県 4.4%
7位 兵庫県 4.4%
9位 宮城県 3.6%
9位 岡山県 3.6%

 2015年と比較すると、1位の大阪府から4位の静岡県まで構成比が増加するなど、1都3県に転入する地域が前年より集中している様子がうかがえる。

 一方、2016年9月までに1都3県から転出した先で最も多かった地域は茨城県の22件(同13.4%)。以下、静岡県(16件、同9.8%)、大阪府(15件、同9.1%)などが続き、上位5府県への転出が全体の45.7%を占めた。

【1都3県から転出した企業の転出先トップ10】
1位 茨城県 13.4%
2位 静岡県 9.8%
3位 大阪府 9.1%
4位 群馬県 7.3%
5位 愛知県 6.1%
6位 栃木県 4.9%
6位 兵庫県 4.9%
8位 北海道 3.7%
8位 宮城県 3.7%
8位 新潟県 3.7%

 2015年と比較すると、茨城県への転出が2016年9月までの9カ月間で前年を上回るなど、移転先の集中も進んでいた。

同一労働同一賃金で注目される長澤運輸事件・東京地裁判決

同一労働同一賃金で注目される長澤運輸事件・東京地裁判決
一億総活躍国民会議(2月23日)における安倍総理大臣の指示に基づき、3月23日以降、厚生労働省職業安定局が実施する検討会(同一労働同一賃金の実現に向けた検討会)において「同一労働同一賃金」の実現に向けた具体的方策について検討が進められています。そのような中、5月13日に言い渡された長澤運輸事件の東京地裁判決(労判1135号11頁)が注目を集めています。皆さんの中には実際に判決文をお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。
4 件

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう

日本人材ニュース|人材採用と人材育成の人事専門誌

関連する記事

バイリンガルの給与増を予想、HRマネジャーは最大10%昇給 ロバート・ウォルターズ調査

バイリンガルの給与増を予想、HRマネジャーは最大10%昇給 ロバート・ウォルターズ調査

 外資系人材紹介会社のロバート・ウォルターズ・ジャパン(東京・渋谷、デイビッド・スワン社長)が日本の最新雇用動向とバイリンガルの職種・業種別給与水準をまとめた「給与調査2017」を発表した。人材不足が継続し、多くの産業・職種で給与増を予想している。
日本で働く外国人が過去最多、100万人を超える

日本で働く外国人が過去最多、100万人を超える

 日本で働く外国人が過去最多となったことが分かった。厚生労働省が201610月末現在の状況を取りまとめた。
2017年の人材需要と採用の課題 深刻な若年労働力の不足で女性・シニアの活用本格化

2017年の人材需要と採用の課題 深刻な若年労働力の不足で女性・シニアの活用本格化

若年労働力の不足が深刻になる中、多様な労働力の活用が課題となっており、従来型の採用手法では人材確保が難しくなっている。2017年の日本の雇用情勢と企業の人材採用数の予測を、企業の人材採用を支援する主要人材コンサルティング会社50社を対象にアンケート調査で聞いた。
給与調査を発表、医療・ライフサイエンス業界の雇用増を予測 マイケル・ペイジ

給与調査を発表、医療・ライフサイエンス業界の雇用増を予測 マイケル・ペイジ

 外資系人材紹介会社のマイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン(東京・港、リチャード・キングマネージング・ディレクター)は、「2017年日本給与調査」を発表した。17年の雇用動向について同社は、急速な高齢化に対応するための需要が高まり、医療やライフサイエンス業界の雇用が伸びると予測している。

この記事のキーワード

この記事のライター

編集部 編集部

セミナー・イベント

プレスリリース