2012年6月1日

企業組織のグローバル化とダイバーシティ・マネジメント

海外での事業展開を本格化する企業では、グローバルなスキルを持つ人材の不足が深刻化している。グローバル人材を確保するためのダイバーシティ・マネジメントについて、人材紹介会社のヘイズ・ジャパン クリスティーン・ライト代表に聞いた。

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クリスティーン・ライト 代表取締役

【プロフィル】
英国ブライトン大学卒業後、ヘイズ・グループに入社。英国で3年、オーストラリアのリージョナルディレクターを11年務めた後、2009年9月にヘイズ・ジャパンの代表取締役として来日。日本での実績とヘイズ・グループでの17年にわたる功績がたたえられ、2012年4月にアジア地区オペレーション・ディレクターに就任。日本、中国、シンガポール、香港におけるヘイズの全業務を統括する。ヘイズに15年以上在籍し、人材サービス事業の豊富な経験を有している。

日本企業は、海外での事業展開を本格化する上で、組織や人材のグローバル化という問題に直面しています。

 企業組織のグローバル化の問題は、いまや日本だけでなくどの国の企業にも存在していると思っています。日本企業は、特にグローバルなスキルのある人材とバイリンガル人材の不足という問題に直面しています。
 昨年、当社では1000人以上の人材を日本の企業に紹介しましたが、そのほとんどがバイリンガルなグローバル人材でした。日本企業が海外事業を自ら展開し始めているためにグルーバル人材の需要は急拡大しています。
 しかし、実際に海外における事業展開を支えることができ、なおかつバイリンガルであるという人材は非常に数が限られているために採用が困難になっています。
 このような問題を解消する鍵の一つが、ダイバーシティだと考えています。ダイバーシティを理解することで、最適な人材に接触できる機会が高まり、より良い人材の採用が可能になります。
 ダイバーシティを積極的に推進している企業では、海外事業の成功には適材適所の人材配置が重要だということをよく理解しています。企業組織のグローバル化においては、ダイバーシティを十分に理解してマネジメントを行う必要があるのです。

日本の企業のダイバーシティ推進の状況は?

 ダイバーシティには、ジェンダー(性別)、国籍、年齢などがありますが、当社では、その中のジェンダーにスポットを当てて企業の人事責任者、採用担当者、2011年11~12月に登録していた女性候補者約1000人を対象に調査を実施しました。
 その結果、企業側と女性候補者ではダイバーシティの推進についての認識に大きなずれがあることが分かりました。人事・採用担当者の70%以上が自社にはダイバーシティに関係するプログラムがあると回答しているのに対して、女性候補者の約65%は経営側がダイバーシティをよく理解しているとは思えないと回答しているのです。
 経営側と従業員側の認識にずれが生じている理由ですが、企業がダイバーシティに関する方針について、従業員と十分なコミュニケーションが図れていないことが要因として考えられます。ダイバーシティの推進ではトップダウンで方針を徹底し、実行していくことが重要ですが、方針を文章に書きまとめておくだけでは浸透しません。
 年齢、性別による仕事への評価の違いを排除していくことが必要ですし、人材の採用にあたっては、性別や年齢ではなく、該当する職種に応募する人たちの職務遂行能力、職務スキル、行動様式で判断していくことが重要です。このようなダイバーシティについての考え方は、リーダーが率先して推進していかなければ普及しません。
 当社では、5月にダイバーシティ・セミナーを人事・採用担当マネジャー、経営者を対象に開催して、いくつかの提案を報告しました。報告の中で参加者に注目してもらえたのは、過去5年間で女性の50%が転職をしているという実態です。
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