どんな人が向いている?経営コンサルタントの仕事内容とは
「コンサルタント」にもいろいろなジャンルがありますが、「経営コンサルタント」とは何かをご存知でしょうか?この記事では、経営コンサルタントの仕事の内容や経営コンサルタントに向いている人、さらには気になる年収とはどのくらいなのかをご紹介します。
目次
~この記事のまとめ~
- 経営コンサルタントには戦略コンサルタント、財務専門のコンサルタント、人事/マネジメントコンサルタントなどがある
- 経営コンサルタントに”必要な”資格はない
- “重要な”資格は中小企業診断士や公認会計士、MBAなど
- 求められるスキルはクライアント企業の経営の好転に繋がるもの全て
- 特定業界における業務経験
- 論理的思考能力
- コミュニケーション能力
経営コンサルタントとは?
経営コンサルタントとは、依頼を受けた企業の経営状態を分析し、強化するための具体的な提案とアドバイスをする職業を指す言葉です。
「経営コンサルタント」は資格の名前ではなく、明確に業務を定義しているわけでもありません。したがって一言で経営コンサルタントと言っても業務内容や性質は事務所や個人によって様々です。
コンサルティング業務に特化した企業の「コンサルティングファーム」で教育を受けて働く人や、会計士や税理士としての仕事を発展しコンサルティング業務を行う人、人事業界などの特定業界に特化した人が自身の経験から個人事業といった規模で業務を行うなど、多種多様です。
3種類の経営コンサルタントにおける業務内容
ここでは「コンサルティングファーム」で活躍している方に絞って、経営コンサルタントを3つに分類し、特徴や業務内容を解説していきます。
コンサルティングファームとは、コンサルタントを雇用しているコンサルティング業務専門の会社のこと。企業によって、力を入れている分野や得意分野が異なっていることが多い。 クライアントからの依頼があると、ファームは適切な人材を選出し、専用のプロジェクトチームを結成する。チームにはクライアントの担当者も参加し共に経営会議に参加したり、情報を収集・分析したりしながら、目標に向かって活動する。
- 経営・戦略専門のコンサルタント
- 財務関係のコンサルタント
- その他特定領域(人事やマーケティング等)に特化したコンサルタント
それぞれのコンサルタントで具体的な業務内容は異なりますが、大まかに企業の経営に関わる業務という意味で言えば、いずれも経営コンサルタントと一括りにすることができます。
①経営・戦略専門のコンサルタント
経営コンサルタント、と言えばこちらの戦略コンサルタントを指すことも多いです。
業務内容としては、経営戦略やM&Aなど、企業全体の重大な意思決定に携わります。まずは直接経営陣にヒアリングすることもあり、企業の現状や課題点を分析したうえで現状の課題を示し、課題の解決策を提案したり、経営陣と今後の経営方針をディスカッションします。
経営コンサルタントの中でも特に、社会経済への深い洞察力や、企業の経営に関する幅広い知識が必要な職種です。
②財務関係専門のコンサルタント
企業の財務関係のことを専門にコンサルティングする人達のことで、財務業務に就いていた方や金融業界出身の方が多いです。
税金対策や資金調達の方法なやコツなど、財務に詳しい方に相談した方がよいと判断される場面で度々必要とされます。
公認会計士や税理士の資格をもった方も多いです。
③特定領域に特化したコンサルタント
特定領域とは、例えば人事業界であったり、マーケティング業界、IT業界などを指します。
人事業界出身のコンサルタントであれば社員の雇用や労務に関するコンサルティング業務を行いますし、マーケティング業界出身であれば新規顧客の獲得アイデアなどのコンサルティング業務に従事します。
いずれにせよ、出身業界の知見を活かして、企業の経営状況を好転させられれば、”経営コンサルタント”として活躍できます。
経営コンサルタントになるには?
「経営コンサルタント」と名乗るために必要な決まった資格はありません。極端に言えば、自ら経営コンサルタントと名乗ってしまうこともできます。
しかし、求められる能力は高度であり、即戦力となれるアドバイザーが必要とされるため、新卒で採用されるコンサルタントはあまり多くありません。(数少ない新卒採用者でも、一流大学や大学院出身者が大半を占めています)
コンサルティングファームに就職する場合、一度大手の事業会社で働きいて専門的な知識を得たうえで、即戦力の中途採用として転職するのが現実的です。
とは言え必要な能力・スキルや、資格、適性はあります。 ここでは必要スキル、あると役立つ資格、適性について解説していきます。
必要なスキル
まず大前提として、担当する業界や、その業務に関する深い知識は必要になります。 クライアント企業から要求される内容のレベルは高度であり、 企業が抱える問題の性質を熟知しておかなければとても務まらない仕事です。
そのうえで高い分析力や論理的思考、プレゼンテーション能力や語学力など、実に幅広い能力が求められます。
クライアントからの相談に乗るためには、コンサルタント自身が、同レベルの事業を展開する企業での業務経験、それに相応する知見が無ければならないのです。
あると役立つ資格
経営コンサルタントとして活躍するうえで役立つ資格は以下の通りです。
- 中小企業診断士
- MBA
- 社会保険労務士
- 公認会計士
- 税理士
- 経営士
- TOEIC
いずれの資格も必須というわけではないですが、あると間違いなく役立つものです。
中小企業診断士や経営士といった資格は直接的に企業の経営に関係した資格なので、取得する価値は十分にあるでしょう。
また、新卒で経営コンサルタントを目指すなら、経営学部や経営大学院を卒業してコンサルティングファームに就職するのが一般的で、外資系コンサルならばMBA取得者が明らかに優遇される傾向にあります。
公認会計士や税理士といった財務関係の資格は経営コンサルタントはもちろん、業界問わず様々な企業で求められるものでもあるため、あると職に困らないでしょう。
また、近年は大手企業はいずれもグローバル化の傾向が強まってきており、経営コンサルタントにも英語力は求められています。TOEICをはじめとした英語系の資格もあると英語力のアピールに繋がります。TOEICなら最低でも800点以上、望ましいのは900点以上でしょう。
経営コンサルタントの適性
論理的思考能力やコミュニケーション能力に自身がある人が望ましいです。
企業の経営陣へのヒアリングや企業分析から集めた情報をもとに、現状を把握して課題の解決策をきちんと”人に伝える”ことができなければならないためです。
またクライアントから求められる難易度の高い仕事に応えるために、激務をこなし、休日も勉強するコンサルタントも多いです。
継続して努力ができる謙虚な性格も併せ持っていないと務まらないでしょう。
気になる年収は?
2017年6月時点の情報では、経営コンサルタントの求人年収は500万円台が約15%と最も多く、続いて600万円台が約14%、700万円台が約13%となっています。これは、日本人の平均的な給与水準から見ても比較的高いと言えるでしょう。
一方で、800万円台から1,000万円台を合計すると全体の約45%を占め、高額な収入を得る人もかなり多いことがわかります。
ただし、経営コンサルタントの給与は高額になるほど年収非公開で募集されることが多く、求人票の年収分布には現れないことも。なかには数千万円を稼いでいる経営コンサルタントもいるようです。
まとめ
経営コンサルタントは「経験」が要
経営コンサルタントとは特別な資格が必要なものではありませんが、それまでの業務経験や知識、語学力など総合的な能力が必要となります。
そのため、 新卒で入るうえでは、経営を専門に学んできた方でないと難しいでしょう。
社会人の方で経営コンサルタントになりたい方は、企業で働く経験を積んだり、労務や法務に特化した仕事をしたりするのが転職成功の近道です。