2023年卒学生の就職観は「楽しく働きたい」が37.6%となり、社会や経済状況に対する不安が軽減されたため増加傾向にあることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)の実施した「マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査」で明らかとなった。

2023年卒の大学生・大学院生に自身の就職観を聞いたところ、「楽しく働きたい」が37.6%(前年比2.8ポイント増)と最多で3年ぶりに増加に転じた。
次いで、「個人の生活と仕事を両立させたい」(22.7%)、「人のためになる仕事をしたい」(13.5%)が続き、ここ十数年間で上位3項目は同じだった。
大きな傾向は変わっていないが、2022年卒から2020年卒までの3年で「楽しく働きたい」が3.8ポイント減少したことについてマイナビは「経済状況の悪化や大きな災害等が起きた際は同項目が減少する傾向にあり、昨今は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、“楽しく働きたい”は減少傾向であった。しかし、ワクチン接種が進んだほか、政府・自治体の行動制限も緩和され、社会や経済状況に対する不安が軽減されたため、3年ぶりの増加につながった」と推察する。
学生の大手企業志向は48.5%(前年比2.6ポイント減)となり、21年卒調査で過去最高値となってから2年連続で減少した。一方、「中堅・中小志向」は前年比2.9ポイント増の47.8%となり、両者の数値は17年卒調査以来、最も近づきつつある。
企業を選択する場合にどのような企業がよいか(あてはまると思う項目を2つまで選択)を聞くと、「安定している」が43.9%(前年比1.1ポイント増)で最多となった。
次いで、「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が32.8%で前年比1.8ポイント減、「給料のよい」が19.1%で前年1.6ポイント増となり、前年同様トップ3の項目となった。
「給料のよい」は16年卒調査以来毎年上昇していたが、前年22年年卒で2.3ポイント減少。今年は1.6ポイント増加となった。その他、「休日、休暇の多い会社」が前年比0.8ポイント増、「勤務制度、住宅など福利厚生の良い会社」が前年比0.4ポイント増などで前年比が増加した。
調査は、2021年12月1日~2022年3月20日、2023年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点)を対象にwebで実施し、3万5543人の有効回答を得た。(文系男子1万1180人、理系男子5840人、文系女子1万4661人、理系女子3862人)