調査・統計

最低賃金引上げを受け、賃金を引上げた企業が4割超

2021年10月の最低賃金引上げを受け、賃金を引上げた企業は前年比21.4ポイント増となる40.3%となったことが、日本商工会議所と東京商工会議所(ともに三村明夫会頭)の調査で明らかとなった。現在の最低賃金額が負担になっていると回答した企業は6割を超えた。

2021年10月の最低賃金引上げ(全国加重平均28円)を受け、最低賃金を下回ったため賃金を引上げた企業(直接的な影響を受けた企業)の割合は40.3%となった。全国加重平均額の引上げが1円(901円→902円)にとどまった後に実施した前年の調査(2021年)と比べて21.4ポイント増加し、2020年(41.8%)に迫る割合となった。

【最低賃金引上げによる影響と対応】
最低賃金を下回ったため、最低賃金額まで賃金を引き上げた 22.0%(前年12.6%)
最低賃金を下回ったため、最低賃金額を超えて賃金を引き上げた 18.3%(同6.3%)
最低賃金は上回っていたので、賃金の引上げは行っていない 43.2%(同65.7%)
最低賃金は上回っていたが、賃金を引き上げた 15.9%(14.9%)
無回答 0.5%(同0.5%)

業種別でみると、直接的な影響を受けた企業の割合は「介護・看護業」(65.2%)、「宿泊・飲食業」(62.5%)といった、労働集約型産業を中心に、直接的な影響を受けた企業の割合が高い。

【最低賃金引上げによる直接的な影響を受けた企業の割合 トップ5】
1位 介護・看護業 65.2%
2位 宿泊・飲食業 62.5%
3位 小売業 52.9%
4位 運輸業 52.5%
5位 製造業 48.9%

最低賃金額を下回ったため賃金を引上げた従業員の属性について聞いたところ、「パートタイム労働者(主婦パート、学生のアルバイトなど)」と回答した企業の割合が83.4%だった。

一方、「正社員」(20.2%)、「フルタイム・有期契約労働者」(21.2%)と回答した企業の割合はそれぞれ2割にとどまった。

最低賃金を含む賃金引上げによる人件費の増加に対して行った具体的な内容は、「人件費が増大したが対応策がとれない(とれなかった)」 とする回答が42.2%と最も多い。次いで「設備投資の抑制等、人件費以外のコストの削減」(20.4%)、「正社員の残業時間の削減」(19.2%)などとなった。

「製品・サービス価格の値上げ」は12.1%にとどまっており、日本商工会議所は「賃上げ原資の確保に向けた価格転嫁が進んでいない状況がうかがえる」と指摘する。

【賃金引上げによる人件費の増加への対応 トップ5】
1位 人件費が増大したが対応策がとれない(とれなかった) 42.2%
2位 設備投資の抑制等、人件費以外のコストの削減 20.4%
3位 正社員の残業時間の削減 19.2%
4位 非正規社員の残業時間・シフトの削減 14.8%
5位 製品・サービス価格の値上げ 12.1%

現在の最低賃金額の負担感について聞くと、「負担になっている」(「大いに負担になっている」、「多少は負担になっている」の合計)と回答した企業の割合は65.4%となった。

また、2016年~2021年までの6年間の引上げ(合計132円)に伴う経営への影響について聞くと、「影響があった」(「大いに影響があった」、「多少は影響があった」の合計)と回答した企業の割合は61.0%となった。

【現在の最低賃金額の負担感】
大いに負担になっている 25.1%
多少は負担になっている 40.3%
負担になっていない 30.7%
分からない 3.1%
無回答 0.9%

【2016年~2021年までの6年間の引上げに伴う経営への影響】
大いに影響があった 19.6%
多少は影響があった 41.4%
影響はなかった 35.2%
分からない 3.0%
無回答 0.9%

調査は、2022年2月7日~28日、全国の中小企業を対象に各地商工会議所職員による訪問調査等で実施し、3222社の回答を得た。

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