2021年の労働災害による死亡者数は867人で、前年と比べ8.1%増となり、4年ぶりに増加したことが厚生労働省のとりまとめで明らかになった。

2021年1月から12月までの労働災害による死亡者数は867人で、前年から65人、8.1%増加。2017年以降減少傾向にあったものの増加に転じた。
「第13次労働災害防止計画」(以下「13次防」)の重点業種では、建設業288人(前年比30人増)、製造業137人(同1人増)、林業30人(同6人減)となった。
死亡者数が多い事故の型別は、高所からの「墜落・転落」が217人、「交通事故(道路)」が129人、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が135人となった。
労働災害による休業4日以上の死傷者数は14万9918人で、前年と比べ1万8762人増(14.3%増)となった。休業4日以上の死傷者数は、近年、増加傾向にあり、1998年以降で過去最多だった。
13次防の重点業種では、陸上貨物運送事業1万6732人(前年比917人増)、小売業1万6860人(同1519人増)、社会福祉施設1万8421人(同5154人増)などとなっている。
死傷者数が多い事故の型別は、新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害を除くと、特に死傷者数が最多の「転倒」3万3672人(前年比2743人・8.9%増)、「動作の反動・無理な動作」2万777人(同1656人・8.7%増)で大きく増加した。