人材採用

2023年卒学生の採用予定数を前年より「増やした」企業が2割超

マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)の実施した「2023年卒企業新卒採用活動調査」によると、2023年卒学生の採用予定数を前年より「増やした」企業は前年比6.1ポイント増の22.1%に上っている。

新卒

2023年卒の採用予定数について聞くと、「前年並み」の割合が前年比2.0ポイント減の69.3%で最も高く、次いで「(前年より)増やした」の割合が前年比6.1ポイント増の22.1%となった。

採用予定数の推移についてマイナビでは、「2021年卒はコロナ禍で採用予定数を“(前年より)減らした”企業が2割を超えていたのに対し、22年卒以降は“増やした”が2年連続で増加しており、採用意欲が回復していることがわかる」と指摘する。

【採用予定数の対前年比較】
(前年より)増やした 22.1%(前年16.0%)
前年並み       69.3%(同71.3%)
(前年より)減らした 8.6%(同12.6%)

6月時点の採用充足率が「5割以上」である企業は44.3%(対前年比6.2ポイント減)で、コロナ禍前である20年卒の44.2%と同水準になった。

採用活動における現時点での問題点は、「母集団(エントリー数)の不足(55.6%)」が前年比21.2ポイント増、「選考受験者数の不足(44.3%)」も前年比14.0ポイント増加した。

【採用活動における現時点での問題点 トップ3(複数回答)】
1位 母集団(エントリー数)の不足 55.6%(前年34.4%)
2位 選考受験者数の不足      44.3%(同30.3%)
3位 マンパワー不足(他業務との兼ね合い含む) 31.4%(同31.2%)

学生の動向についてはマイナビでは「22年卒の学生はコロナ禍による危機感の高まりから活動量が増加したが、23年卒学生は危機感の緩和により活動量が減少。その結果、エントリー数・選考受験者数が減少し、企業の23年卒採用が前年よりも厳しい状況になった」と推察する。

エントリーした学生の印象を聞くと、「前年と大体同じ印象」が54.5%で最多だったが、「前年よりも採用したいと思う学生が少ない」は前年比9.1ポイント増の25.2%となった。

企業に「現時点での満足度の理由」を聞くと、採用したいと思う学生が少ない企業からは「適性・志望度は例年に比べ高くはない」、「能力・自社マッチ度が充分な学生に内々定を出せていない」というコメントが見られた。

23年卒学生の動向についてマイナビでは、「23年卒の学生は応募企業を絞って選考を受ける傾向にあり、企業は前年に比べ幅広い層の学生と出会いづらくなったため、学生から受ける印象にも影響があったと考えられる。ただし、23年卒の学生はより志望度の高い企業を選定して活動しており、選考に参加した学生に対し“マッチングしていない”“志望度が低い”と感じることについては、学生と企業の間のコミュニケーションに課題があった可能性も考えられる」とした。

23年卒として採用する人材が入社何年後に活躍することを期待しているかを聞くと、「3年目」が45.7%で最多となった。また、3年目以降の割合を合計すると81.7%だった。

【23年卒として採用する人材が入社何年後に活躍することを期待しているか】
1年目(即戦力を期待) 4.6%
2年目    13.7%
3年目    45.7%
4~5年目  29.5%
6~10年目  5.5%
11年目以上 1.0%

採用広報で今後アピールすべきと思う項目について、「SDGsに取り組んでいること(31.6%)」が1位となった。また、上場企業においては「ダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいること」は21.2%で非上場企業の6.4%を大きく上回った。

【今後、採用広報でアピールすべきだと思うこと トップ3】
1位 SDGsに取り組んでいること 31.6%
2位 社風や雰囲気の良さ    28.6%
3位 ワークライフバランスの良さ 23.8%

調査は、2022年6月3日~20日、全国の企業を対象にWebで実施し、3176社の有効回答を得た。(上場275社:非上場2901社、製造1262社:非製造1914社)

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