調査・統計

異業種人材受け入れは上向き傾向、理由は「業態変革」と「労働力不足」

新型コロナをきっかけに減少した企業の異業種人材の受け入れは、景気の回復とともに上向き傾向にあることが、人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、瀬野尾 裕社長)が実施したコロナ禍での企業の異業種人材受け入れ実態調査で明らかとなった。

異業種受け入れ人数の推移は、2018年を100と定義したとき、2019年は107.8、2020年は86.1、2021年は100.4となった。

近況についてパーソルキャリアでは「2020年の新型コロナ感染拡大により、2018年から上昇トレンドであった異業種人材の受け入れは一時期落ち込んだものの、コロナ禍の2021年には回復傾向にある」と分析する。

異業種受け入れ人数が回復傾向にある理由について「1つ目は、新型コロナの影響により多くの企業が業態変革を試みており、従来採用していなかった属性の人の採用も増やしているため、異業種から積極的に人材を受け入れている」とする。

「2つ目は、新型コロナにより労働力不足に拍車がかかった特定の業種が、異業種から積極的に人材を受け入れている」とする。

業種別にみると、異業種受け入れが最も伸びたのは「コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ」で、約40%増加した。

パーソルキャリアでは「DX推進や業務等のデジタル化に伴うIT戦略コンサルティングのニーズが、これまでにない高まりを見せている。そのため、特にIT系コンサルタントの充足に向け、コンサルタントに求められる“課題解決力”を持つ人材を、経験業種問わず、異業種からも積極的に採用している」と分析する。

次に伸び率が高かったのは「インターネット・広告・メディア」で、約30%増加した。
パーソルキャリアでは「ビジネスのオンライン化が進む中で、Webマーケティングや販促などのニーズが増している。こうしたニーズの高まりを背景に、事業規模拡大に向けて、異業種からの受け入れを含む多様な人材の採用を行っている」と分析する。

【コロナ禍での異業種受け入れ人数の上昇率ランキング(2020年と2021年比較)トップ10】
1位 コンサルティング・専門事務所・監査法人・税理士法人・リサーチ 140.3
2位 インターネット・広告・メディア 130.5
3位 メーカー(機械・電気) 130.4
4位 人材サービス・アウトソーシング・コールセンター 123.5
5位 商社   120.8
6位 IT・通信 117.1
7位 医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス 115.3
8位 メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他) 114.3
9位 外食   110.7
10位 教育   109.3

※2020年の異業種受け入れ人数を100とした場合の伸び幅

また、「外食」、「旅行・宿泊・レジャー」は、コロナ禍での新たなビジネス展開やアフターコロナに向け、異業種人材を積極採用している。

「外食」は、コロナ禍でサービスのオンライン化が進み、Webマーケティングや販促ニーズが増加したことで「インターネット・広告・メディア」からの採用を約4.6%アップさせた。さらに、コロナ禍でも一定業績が安定していた大手外食チェーンの新規出店により、「建設・プラント・不動産」からの採用が約3.4%アップした。

「旅行・宿泊・レジャー」は、「IT・通信」からの採用を約4.5%アップさせた。旅行業界ではコロナ禍での行動自粛中、オンラインツアーの展開等を進めており、IT人材の採用に力を入れていたと想定される。さらに、宿泊業の土地開発や設計などで人材ニーズが高まり、「建設・プラント・不動産」からの採用が約4.0%増加した。

調査は、2020年1月~12月末と2021年1月~12月末までの間に「doda」経由で異業種転職に成功したビジネスパーソンのデータをもとに算出した。

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