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キーワードは「IoT」 ソフトバンクグループがイギリスARMを買収した理由に迫る!

ソフトバンクグループの孫正義社長は、7月18日、半導体設計を手がけるイギリスARMホールディングスを買収したと発表しました。ARMの全株式を約240億ポンド(約3兆3000億円)で取得し、完全子会社化。果たして、孫社長の狙いはどこにあるのでしょうか?

目の代わりにカメラやレーダーで外部環境を認識して、外部サーバや車内コンピュータが判断して走行指示を電子制御システムに入力します。

ほかにも検針員に代わって電力メーターが電力会社と通信して電力使用量を申告するスマートメーターなどが「IoT」の象徴と言えるでしょう。

私たちの生活に身近なスマートフォンが「IoT」に果たす役割も大きいでしょう。スマートフォンがリモコンとなり、備え付けたカメラにより高齢者の見守りを行うなどすでに実用化されたものが多数あります。

スマートフォンの可能性に着目!

ARMはスマートフォンなどに使われている半導体を設計し、そのライセンスを半導体メーカーなどに提供しています。世界のスマートフォンの95%にこのライセンスが使われており、世界市場では圧倒的なシェアを持っているとわかります。

孫社長は「IoT」によるパラダイムシフトが起きると予測。これが巨大なビジネスチャンスになると見て、ARMの買収を図ったと見られます。

ARMに対しては、資金提供などの便宜を図るほか、中長期の戦略立案にも関与、今後5年でARMの従業員数を倍増させる方針も示しました。

巨額買収劇はイギリスのメイ首相も動かした!

この買収劇に際して、孫社長はイギリスのメイ首相を訪問。買収の意図や資金提供、雇用拡大などについて直接伝えました。

メイ首相は、外資による買収に対し、好意的ではないと言われていた人物でしたが、孫社長から今後の経営方針を直接説明され、納得した様子で歓迎ムードが漂ったそうです。

買収資金は株式売却と銀行借入で用意

財務状態が不安定であると指摘されることもあるソフトバンクグループ。今回の買収に伴う資金は、株式売却と銀行借入で用意しました。

売却の対象となった会社は、中国電子取引大手のアリババグループホールディングスやフィンランドのスマートフォン向けゲーム会社スーパーセルなどで約2兆円を資金化しました。残りの約1兆円は、みずほ銀行から借入を行い対応しました。

「IoT」によって私たちの生活はどのように変化するのか?

便利な「IoT」製品が続々とリリースされている現状。例えば、スマートフォンに体温計の機能を付加するアクセサリも登場しています。

日々計測した体温は、スマートフォンで一括管理。私たちの健康増進に役立つと期待されています。それから省エネにも役立つという意見も。スマートフォンがあれば、外からエアコンのオンオフ切り替えが可能。地球温暖化防止が話題となるなか、地球環境保持に果たす役割も大きそうです。

「IoT」により人間の仕事が奪われる?

例えば、先述した「スマートメーター」においては、検針する必要がないことから、検針員は不要になります。

「IoT」と人工知能の開発も相まって、人が介在せずとも完結することが増えてくる可能性が高まっています。そうなると、将来的に仕事がなくなる人も出てくるかもしれません。

「IoT」実用化の課題は山積!

「IoT」により、私たちの生活は格段に便利になると考えられますが、さまざまな課題があるのも事実です。

1.データ量が爆発的に増加する
これまで紙や人により伝達されていたデータは、今後オンラインにより処理されることになります。となると、問題となるのはサーバダウンなどのシステムの環境的問題。サーバダウンにより使いものにならないなどという事態は避けねばなりません。

2.セキュリティリスク
セキュリティリスクも無視できません。「IoT」で扱うデータは、個人情報も多分に含むもの。そして、スマートフォンだけでなく、自動車や医療機器などにも通信システムが付加され、セキュリティを考えるべきツールも多様化するため、対策も一様ではないはずです。

情報漏えいリスクが叫ばれる昨今、セキュリティをどのように確保するかは今後課題となるでしょう。

ソフトバンクグループとARMのシナジーに注目!

ソフトバンクグループはスマートフォンやインターネットに、ARMは半導体設計に強みを持つ企業。

「IoT」をきっかけにした今回の買収劇。孫社長が言うようにパラダイムシフトが起きるのかどうか。

巨額の資金を投じているだけに、失敗は許されません。今後、ARMがどのような動きを見せるのか、そしてソフトバンクグループとどのように協業していくのか、目が離せません。

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