調査・統計

2021年度は3割弱の企業で賃金改善の見込みなし、理由の7割は新型コロナウイルスによる業績低迷のため

帝国データバンクが実施した賃金動向に関する企業の意識調査によると、3割弱の企業で2021年度の正社員の賃金改善は「ない」見込みであることが分かった。賃金改善が「ある」企業は4割にとどまっている。

賃金

 2021年度に正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)が「ある」と見込む企業は42.0%となり、2014年度見込み(46.4%)以来の水準まで落ち込んだ。2020年度見込み(53.3%)と比べると11.3ポイント減少した。

 一方、賃金改善が「ない」と見込む企業は28.0%となり、同様に2014年度に近い水準まで高くなっている。また、「分からない」とする企業も30.0%と5年ぶりに3割台となり、帝国データバンクでは「総じて2021年度の賃金改善には慎重な見方をしている様子がうかがえる」としている。

 業界別にみると、依然として人手不足が顕著な「建設」の47.8%が最も高い。また、2020年度見込みと比較すると、旅行代理店や旅客自動車運送など観光関連業種を含む「運輸・倉庫」(36.7%)では18.5ポイント減となるなど、賃金改善見込みは大きく減少した。

【業界別 賃金改善が「ある」割合】
農林水産 44.7%(2020年度見込み42.9%)
金融 25.2%(同36.1%)
建設 47.8%(同57.9%)
不動産 31.5%(同39.1%)
製造 44.7%(同54.2%)
卸売 39.7%(同51.6%)
小売 42.0%(同53.5%)
運輸・倉庫 36.7%(同55.2%)
サービス 40.4%(同54.3%)

 正社員における賃金改善の具体的内容は「ベースアップ」が35.9%で、2020年度見込みから9.3ポイントの大幅減だった。「賞与(一時金)」は20.3%となり、同6.0ポイント減となった。

 賃金改善が「ある」と回答した企業の理由は、「労働力の定着・確保」(78.7%)が最も多く、過去最高となった前回調査(80.6%、2020年1月)より減少したものの、依然として高水準にある。次いで、「自社の業績拡大」(34.1%)、「同業他社の賃金動向」(16.5%)と続いた。

 一方、賃金改善が「ない」企業の理由では、「自社の業績低迷」が76.7%となり、前回調査より18.6ポイントの大幅増加となった。

 自社業績の拡大や低迷に関して、新型コロナウイルスの影響によるものかを尋ねたところ、新型コロナウイルスの影響による「自社の業績拡大」は11.0%、「自社の業績低迷」では69.4%にのぼった。賃金改善をしない企業のうち7割の企業は新型コロナによる業績の低迷を理由としていることが明らかとなった。

 調査は、2021年1月18日~31日、全国2万3695社を対象に実施し、1万1441社の有効回答を得た。

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