人材採用

2021年上半期の転職市場はITに関連する求人ニーズが堅調 パーソルキャリア予測

 人材サービスのパーソルキャリア(東京・千代田、峯尾太郎社長)がまとめた「転職市場予測2021上半期」によると、2021年上半期(1月~6月)の転職市場は、ITに関連する求人が増加する見込みとなっている。また、即戦力性の高い経験者採用のニーズが高まるとみている。

 2020年についてパーソルキャリアでは「新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、IT業界やエンジニアに限らずあらゆる業界・職種でビジネスの軸をIT化・ネット化することが急務になった。また、従来から緩やかに取り組まれていたDX(デジタル・トランスフォーメーション)での事業変革も本格的にスタートした年だった」と指摘。

 2021年上半期の転職市場については「“DX”や“RPA(Robotic Process Automation)”などのキーワードを中心に、ITに関連する求人ニーズが堅調となる」と予測する。

 また、「いまだ新型コロナウイルス収束の見通しが立っておらず、景気の先行きが不透明であるため、企業は引き続き即戦力として活躍できる方を中心に採用活動を進めることが予想される。そのため、転職市場では“同じ業界・同じ職種”の経験者が有利になる傾向が強まっている」とした。

 業界・職種別にみると、「営業」では、リモートワークの広がりにより働き方が一変し、これまであまり進んでいなかったメンバーシップ型からジョブ型へ移行する企業の実例が増えてきた。企業が求める人材が今まで以上に「専門性のある人材」にフォーカスされてきていて、即戦力人材を採用する傾向に変化している。

 「経理」では、IT、Webサービス、建築・土木、不動産、医療、会計事務所・監査法人など、コロナ禍においても業績が伸びていたり、影響が少なかったりする業界では、経理の人員増加を図る企業が多いため、経理経験者の採用ニーズが見込める。

 「IT・通信」では新型コロナの影響が小さく済み、求人数は維持できているが、経験者に対する選考のハードルが厳しくなる傾向にある。また、ITによる業務効率化でコストダウンを狙う流れが加速しており、企業、転職希望者ともにDX(デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まっている。このポジションに関しては経験者の絶対数が少ないため、DX未経験者の採用も多い。

 新型コロナの影響で多くの企業が採用に対し慎重な姿勢を見せる中、「金融」業界は引き続きIT・デジタル化を推進する傾向にあるので、社内SE、Fintech(フィンテック)、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する採用ニーズは高まると推測される。また、コロナで経営が悪化した企業の事業譲渡が増加すると見込まれ、事業承継に関わる求人が増えるとみている。

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