パーソルキャリアがまとめた「doda転職求人倍率レポート」によると、11月の転職求人数は前月比2.4%増、前年同月比29.5%減となった。転職希望者数は前月比5.6%減、前年同月比10.5%増だった。

転職求人倍率は前月比0.14ポイント増、前年同月比1.02ポイント減の1.79倍だった。
11月の状況についてパーソルキャリアは、「前月に引き続き、下半期の採用を始める企業が増えたことにより、求人数は前月から緩やかに増加した」と分析する。
一方、「転職希望者は例年、年末に向けて活動が落ち着く傾向があり、今年も同様の動きが見られ、前月から減少した」と見ている。
業種別にみると、求人数の前月比は8業種(その他を含まない)のうち「金融」以外のすべての業種で増加した。最も増加したのは、「サービス」(前月比5.3%増)、次いで「小売・外食」(前月比4.8%増)。
「サービス」では、技術系アウトソーシングやゼネコン関連の企業が新たに求人を出し、意欲的に採用活動を行っている。
「小売・外食」では、特に総合スーパーやドラッグストアなどで求人数が増加した。
【業種別 求人数増加率(前月比)】
サービス 5.3%増
小売・外食 4.8%増
商社・流通 2.2%増
メディア 1.9%増
メディカル 1.5%増
IT・通信 1.4%増
メーカー 1.0%増
金融 7.0%減
その他 3.7%増
職種別では、求人数の前月比は11職種のうち、「専門職」、「販売・サービス系」以外のすべての職種で増加した。最も増加したのは、「クリエイティブ系」(同7.2%増)、次いで「技術系(IT・通信)」(前月比4.5%増)。
【職種別 求人数増加率(前月比)】
クリエイティブ系 7.2%増
技術系(IT・通信) 4.5%増
事務・アシスタント系4.2%増
営業系 3.8%増
技術系(電気・機械)2.8%増
技術系(化学・食品)1.5%増
技術系(メディカル)1.0%増
企画・管理系 0.8%増
技術系(建築・土木)0.2%増
販売・サービス系 1.8%減
専門職 2.4%減
11月以降の転職市場についてパーソルキャリアでは、「11月中旬から新型コロナウイルスの感染が再び広がっているが、転職市場においては、緊急事態宣言が発令された4月や、東京を主な起点として再び感染が拡大した7~8月と比較すると、採用活動への影響は少ない」と見込んでいる。
その理由について「当時よりも企業のオンライン環境が整ったことに加え、感染対策と経済活動を両立させる動きがあることから、12月以降に求人数が大幅に減少する傾向にはならない」と指摘する。