帝国データバンクの景気動向調査(3月調査)によると、国内の景気は過去最大の下落幅を記録し、東日本大震災後の水準まで低下していることが明らかとなった。

企業による7段階の判断をもとに算出した景気DIは前月比6.2ポイント減の32.5となり6カ月連続で悪化した。消費税率を8%に引き上げた2014年4月(同4.2ポイント減)を超える過去最大の下落幅となった。
帝国データバンクは今後について「国内景気は、後退局面のなかで新型コロナウイルスの影響が拡大し、過去最大の下落幅を記録した。今後は、海外動向や新型コロナウイルスなど不確実性が高まり、後退が続くとみられる」と指摘している。
業界別にみると、調査開始以降で初めて全10業界51業種が悪化した。そのうち23業種で過去最大の下落幅となり、4業種で過去最低を記録した。新型コロナウイルスの影響による外出自粛や旅行客の減少など、個人消費に関連する業種の景況感が大きく落ち込んだ。また、中国から部品や資材の輸入が滞り、サプライチェーンへの影響も顕著となった。
【業界別 景気DI】
農・林・水産 32.8(前月比5.1ポイント減)
金融 33.3(同8.9ポイント減)
建設 41.5(同6.3ポイント減)
不動産 31.6(同10.4ポイント減)
製造 30.3(同4.6ポイント減)
卸売 29.4(同5.0ポイント減)
小売 26.7(同7.4ポイント減)
運輸・倉庫 27.7(同6.3ポイント減)
サービス 35.3(同9.8ポイント減)
その他 29.8(同9.4ポイント減)
地域別にみても、「北海道」「南関東」「北陸」など全10地域で悪化、5年11カ月ぶりに47都道府県すべてで落ち込んだ。暖冬や消費税率引き上げの影響が続くなか、地域経済は外出自粛や生産活動の停滞などが下押し要因となった。
【地域別 景気DI】
北海道 31.0(前月比8.0ポイント減)
東北 30.7(同6.0ポイント減)
北関東 31.8(同5.1ポイント減)
南関東 34.1(同7.0ポイント減)
北陸 29.7(同5.9ポイント減)
東海 31.4(同5.9ポイント減)
近畿 30.4(同5.9ポイント減)
中国 33.8(同5.2ポイント減)
四国 36.4(同3.1ポイント減)
九州 35.3(同6.2ポイント減)
調査は、3月17日~31日、全国の企業を対象にインターネットで実施し、1万1330社から有効回答を得た。