調査・統計

後継者難による倒産件数は2割減少するも、全倒産件数に占める割合は高水準

2021年1月から4月の“後継者難”倒産件数は、前年同期と比べ2割減少していることが東京商工リサーチの調査で分かった。ただ、全倒産件数に占める“後継者難”倒産の割合は上昇しており、2013年以降では最も高い水準となっている。

 2021年1月から4月の“後継者難”を起因とする倒産は、114件(前年同期比20.2%減)で、前年同期の143件より29件減少した。ただ、全倒産(2021年1~4月、2031件)に占める構成比は5.6%(前年同期4.9%)で、前年同期より0.7ポイント上昇し、1~4月としては調査を開始した2013年以降では最も高い水準になった。

 この問題点について東京商工リサーチでは「全企業倒産がコロナ禍の国や自治体、金融機関の支援で減少を続けるなか、“後継者難”倒産の構成比は上昇。中小企業の後継者問題が深刻さを増している」と指摘する。

 後継者不在の“後継者難”倒産114件のうち、死亡が61件(前年同期比10.9%増)、体調不良が35件(同25.5%減)で、この2要因で“後継者難”倒産の84.2%を占めた。

 “後継者難”倒産を産業別にみると、「製造業」(前年同期22件)と「サービス業他」(同24件)の25件(構成比21.9%)が最も多かった。次いで、「卸売業」19件(構成比16.6%、前年同期27件)、「建設業」18件(同15.7%、同38件)、「小売業」10件(同8.7%、同17件)となった。

 前年同期と比べると、10産業のうち「不動産業」(前年同期比60.0%増)、「製造業」(同13.6%増)、「サービス業他」(同4.1%増)、「金融・保険業」(ゼロ→1件)の4産業で増加した。

 一方、減少したのは、「情報通信業」(前年同期比66.6%減)、「建設業」(同52.6%減)、「小売業」(同41.1%減)、「卸売業」(同29.6%減)の4産業だった。

 同数は、農・林・漁・鉱業、運輸業の2産業だった。

 “後継者難”倒産を資本金別にみると、1000万円未満(個人企業他を含む)が60件(前年同期比21.0%減)で、構成比は52.6%(前年同期53.1%)と5割を占めた。

 一方、1億円以上は、前年同期と同件数でゼロだった。

 “後継者難”倒産を負債額別にみると、1億円未満が78件(前年同期比27.7%減、構成比68.4%)で、小規模倒産が主体となっている。ただ東京商工リサーチでは「1億円以上5億円未満が31件(前年同期比6.8%増)で、唯一、前年同期を上回っており、中堅企業でも事業承継問題が出始めている可能性がある」と分析している。

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